あなたが、日本国内の主な合戦、好きな合戦、興味深い合戦を7つ選ぶとしたら‥
どの合戦を選びますか?

7つも無理‥
わかります。
そんなに知らない‥っていうのが普通ですよね。

パッ、と思い浮かんだのが、私は「桶狭間の戦い」

日本三大奇襲戦🇯🇵の一つですね。
奇襲戦というのは、数の上で圧倒的に不利なほうが、思いもよらぬ奇襲によって、相手を混乱に陥れて勝利するという‥。
人数が優っていれば、奇襲をしかける必要はありません。
雨が降ったことによって、地形的に狭い桶狭間という戦場の視界が悪くなり、そこに劣勢側の織田軍は敢えて沢山の兵を投入しておきました。本陣でノホホンとお昼を取って油断していた今川義元にこの織田軍が襲いかかって勝負があっけなく決した、あの桶狭間の戦いです。
何がすごいって、兵力の差は10:1くらい。
だから今川義元はノホホンとしていたわけです。

わりかし有名な戦いでありますが、松本清張氏の私選7つには、入っておりません。

氏が選んだのは、

長篠の戦い
姉川の戦い
山崎の戦い
川中島の戦い
厳島の戦い
九州征伐
島原の乱
関ヶ原の戦い
西南戦争

これらの戦が「私説・日本合戦譚」に収められています。
誰と誰の戦いか、知っていたらあなたは歴女&歴男であります(笑)。
見ればわかると思いますが、この順番は、収められている順番で、戦いの年号順ではありません。
それこそ私的には、「川中島の戦い」の解説が一番素晴らしいかと思います。

この有名な、武田信玄vs上杉謙信の戦いを、
冷めた目で評価。
政治的には何の意味もない戦いで、何ももたらさなかった。
どっちが勝ちかもはっきりしない。戦死者の数から判断するしかありません。
もっとすごいのは、この戦い自体、すこぶる疑わしいと。本当にこんな戦があったのか、記録も怪しいと。

マイナーないくさもあれば、メジャーないくさもあり、これが入って、あれが入ってないのはどうして?みたいなものもあるかと思います。

島原の戦いは、異質な気がします。どっちが勝つかというのが最初からわかっているし、他の戦と色々な面で違っています。武家と百姓の戦いだからでしょう。

その視点にやはり、私は興味を覚えます。
前のブログでも述べましたが、「西南戦争」では西郷隆盛を、痛烈に批判しております。

他の歴史学者が言わないことを言うために、この合戦シリーズも書いたのかと思われます。
ほかの作家と似たり寄ったりの歴史観の小説を書く気はないという、御自身、歴史家として熱を持っているのではないかという清張さんがうかがえます。
アンチ・ヒーローなんですよね。