とある解説によれば、松本清張は庶民の味方、代表ということになっているらしいです。
だから、家政婦が主役の話が書かれたりするのでしょうか。
医者や弁護士、大学教授は悪く書かれることが多いです。
「権威」というものに疑いを持っているのは確かです。
「視聴率」に焦点を当て、本当に視聴率は信用できるしろものか、を書いたものもありました。
→「渦」
美術評論に疑いを持った作品もあります。
→「天才画の女」「雑草群落」
スイス銀行の怪しさ、不透明さ
→「赤い氷河期」
権威への疑惑を扱った作品は枚挙に暇がないですし、ライフワークと言えそうです。
時代小説短編集「無宿人別帳」にある作品に、ある小役人の怠慢が原因で、島流しにあった罪人の赦免が、台帳から抜け落ちたばかりに、赦免船が来ても、本土に帰れない哀れな罪人がいました。
ほんとに恐ろしいことですよね。
この、権威による、ささいな怠慢、欠陥、悪意が、人の運命を狂わす‥
これ、ご自分の社会経験から来ているものだと思うんです。
「西郷札」‥実はインチキだった。
そういえば、騙される話の多いこと。多いこと。
まさか、味方だとばかり思ってた人が、オイシイ話を持ってきて、読者もろともすっかり騙され‥
これ、警告ですよね。
そんな、都合のいい話、あるわけねえべさ。
嘘くさいんだけれど、
どこか、気になるけれども
信じてしまう。
信じる以外の選択枝がないことが問題。
ないところに追い込まれる。
告訴せず
わるいやつら
黒革の手帳