「熱い空気」放映以降、どうやってあの、ドジで賑やかな家政婦テレビシリーズへと変化したのか、私には、その経緯がまったくわかりません。

気がついた時には、土曜ワイド劇場の人気レギュラーシリーズ化されていました。

第1回の「熱い空気」は人気を博したのでしょうか?
初放送は調べると1983年です。

で、私がその石崎秋子なる市原悦子演じる「家政婦は見た!」のシリーズ化を初めて見たのは、いつか、第何作だったかはわかりませんが、キャラクターがDVDで見たのとは、まったく違っていました。
  みなさんも私も、多分、レギュラー化されたほうのイメージを持っていると思うのです。

2回目以降の「家政婦は見た!」
の秋子さんは‥

猫を寮の部屋で飼っている!
名前は「はるみちゃん」

派遣先の家で、やたらとおしゃべり!

よく歌を歌っている!
派遣先でロマンスを期待しているようだ

最後に啖呵を切る!!
「ワタクシ、今日で辞めさせていただきます」
「あなた方には呆れてしまいました」
その日の日当を計算して請求

ざっとこんな感じで、ユーモラスなBGMまでついて、「熱い空気」から進化しているのです。

市原悦子さんが、初回の陰険な秋子をまったく作り変えたよう。
それでも、最初のやつが人気が出ないことにはシリーズ化にならなかったはずなので、見た人のショックはそれなりに大きかったのかな。
反響を呼んだんでしょうね。

原作の秋子の勤めぶりは、当たり前でしょうけど、かなり裏表があって、そこが痛快でもあります。
第1回の市原悦子さんの演技で、ゾクっとしたのは、テレビ独自の演出だと思いますが、大学教授の家で独りきりになった時の、履いていたサンダルをポーン、ポーンと放り投げて脱ぐシーンです。

その時の表情といったら‥‥。極楽、天国に来たかのような表情なのです。仕事から解放され、すべてはうまくいった。これに彼女の気持ちがすべて込められています。

原作では、大学教授宅の憎たらしい悪ガキの弁当箱につばをペッペッと吐くシーンもあります。
テレビでは絶対に無理ですが。

アメリカあたりでベビーシッターが子供に暴力を振るっていたのを監視カメラにとらえられていて発覚した事件をチラッと彷彿させます。

それはともかく、家政婦シリーズを最初に見た時は面白いドラマでした。
秋子の目線、視点が面白い。
茶碗洗いそっちのけで、立ち聞き、盗み聞きのオンパレード!
とにかく、勤め先の家庭のヒミツや人間関係を探ろうとします。
それを寮に帰って、同僚や大家さんに話します。
寮では、秋子は先輩格で、一目置かれています。
秋子は頭が良くて、要領もよい。派遣先の事情を面白おかしく話して聞かせます。
「まぁ、なんか色々ありそうな家庭ね」なんて言いながら
皆、秋子の活躍に期待します。

で、どういうわけか、最後は
秋子の正義感が出てきて、
投げてしまう。

骨折り損のくたびれ儲け‥

包帯グルグルで次の派遣先へと向かいます。