驚くべき告発を書いた犯罪広告なる、かわら版。犯罪新聞ですね。
それも、かつては一つ屋根の下で暮らしていた、養父を訴えているのです。
書いた人が、おとなしそうな誠実そうな青年ですから、イタズラとは思えないのです。
内容も説得力があるのです。
読んだ村の人は、
驚き、兄妹に同情し、最後は好奇心です。
元養父の家の床下を掘らせたい!
掘るべきだ。
養父側からしたら、犯罪広告は大変なものにあたるわけです。
ふざけるな、冗談じゃない。
バカも休み休み言え。
床下を掘るなどとんでもない。あいつらは何か勘違いをしているのだ!
、という態度を取り続けます。
そうするしかないでしょうね。
これが昨日、今日の話ならそんな態度は許されないかもしれませんが、なにしろ、殺人容疑がかかっているのだから。
しかし、15年以上経って時効は成立しています。
持ち主の許可なくしては、誰にも掘らせる権利などないのです。
予測できる結果として、最後は村の駐在員が出てきました。
まさにそれが犯罪新聞の狙いですから。
名前は忘れたので養父とさせていただきますが、
駐在員は中立の立場で養父に言います。
「これだけの騒ぎになった。あんたを信じているが、騒ぎを収めるためにも、床下を掘ってはいかがか?」
「何も疚しいことがなければ、掘ったほうがいい」これは、提案という名のほぼ命令。
駐在員立会いのもと、衆人監視の中、養父が床下を掘ることになります。
養父は皆を睨みます。「もし死体らしきものが出てこない場合、どうするんだ! 謝るだけでは済まないぞ」
養父の強がりに兄妹を心配する村人たち。
「出てこないわけありません。大丈夫です」
お兄さんは自信ありげ。
私が村人だったら、床下掘りのイベント、見に行ってますね(笑)。
映像では、前半の最大の盛り上がる場面です。
野次馬が、死体がいつ出るかいつ出るかと固唾を飲んで見守るわけです。
この騒動、この後思いもよらない方向に行きます。
殺人事件に発展していきます。