前回続き
    霧の旗を再読して、桐子が意外にも悪女でないと思ったのはなぜか?
 私が長い人生経験を経て、解釈が丸くなったのでしょうか。(笑)。そうだったらいいのですが。
   恐らく、話のキモだけがインプットされた事による先入観かも知れません。
   松本清張のテレビドラマは見逃したりしてあまり見てないのです。
でも見なくても、女優の演技が目に浮かびます。
   映像でよかったもの、気になった作品が二つあります。
  作品の中身よりも演技に目がいきます。

「天城越え」の田中裕子さんが凄い!

   原作を忘れるほど凄い。
田中さん、さほど美人じゃないのに、演技が上手い!  個性的。
   特にこの役、美人でないだけにエロっぽさが際立つんですわ。
実際、娼婦の役です。こんな女に会ったら、青少年はイチコロ 、(古いですね。笑)息の根が止まってますね。
  田中さん以外は考えられないぐらいのキャスティングです。
原作も本格推理小説テイストで、良い作品ですが、映画になった事で、より作品を立体的に味わうことができました。

   もう一つは「疑惑」の桃井かおり。
確か岩下志麻とダブル主演だった気がします。
  桃井さんのあまりのハジけっぷりに、原作をさがして、読みましたが、それが全然映画と違うんです。
「疑惑」は作品として有名でないのか、探すことからして大変でした。

さて、読んだものの、最初から「えっ?」て感じです。
桃井氏演じる「球磨子」は、出てきますが、どうも話が面白くないのです。まったく別ものというくらい、映画の共通点が少なかったです。ちなみに「疑惑」はもう一つ、時代小説としての作品があります。

   さて、映像の話に戻りますと、私はこれを見て、桃井かおりは天才だと思いました。
魔性のオンナやらせたら、この人の右に出る人はいないです。
  「球磨子」は悪い女です。なのにグイグイ引き込まれてしまいます。すべてはその桃井氏の演技です。
  桃井氏は被告人。岩下志麻が彼女の弁護士。
「球磨子」はイケ好かない女ですが、そこは弁護士。彼女をキチンと助けます。
   女弁護士によって、球磨子は無罪判決を勝ち取る‥
なのに!
  恩人の女弁護士に向かって、祝賀会?で罵詈雑言を浴びせるのである。
   この女同士の罵しり合いしか、もう記憶にない!(笑)
   岩下さんもキリッとしてて素敵だけど、彼女の替わりはいます。
  でも、桃井かおりさんの球磨子は、替わりはいないです。
  
恩人に向かって、「アンタって、ヤな女ね」

   これ、桃井さん以外にできない(笑)
かろうじて、大竹しのぶ氏、ぐらいですかね。

最初、くまこ=熊子  かと思ったっけ。
原作が全然面白くないのが残念。
逆に何で映画に⁉︎