久々の本の紹介です。
『シャルロッテ』 ダヴィド・フェンキノス著 岩坂悦子訳 白水社
才能を認められベルリンの美術学校に通うようになったシャルロッテ。ナチに追われて南仏に逃れ、そこで畢生の大作が誕生する…。アウシュヴィッツに送られ、26歳の若さで命を落とした天才画家の知られざる生涯を描く。
これは白水社のエクスリブリスシリーズの1冊。
このシリーズは、独創的な世界の文学を厳選して贈るシリーズなんです。
『独創的』というだけあって、難解なだけ、と思うものも少なくないのですが、この『シャルロッテ』は、大当たり!
アウシュビッツの話?と思っていたのですが、アウシュビッツでの話ではなく、シャルロッテの人生の話でした。
戦争時代のシャルロッテの話と書いた方がいいのでしょうか。
著者は、シャルロッテのことを淡々と書いていきます。
それも一文一行ずつ。
一文、一行書くたびに息をつく必要があったから、これ以外の書き方ができなかったと著者は述べています。
350ページ近くありますが、1行ずつなのと、物語に引き込まれるのとでどんどん読めちゃいますよ。
お値段2900円+税とお高いですが、図書館にも置いてあると思うので、是非読んでみてください。