不妊治療をしている人は、毎周期測る子宮内膜の厚さはとても気になります。体外受精で移植を判断する子宮内膜の厚さは、6㎜であったり8㎜であったりとクリニックによって多少基準が異なりますが、ある一定の厚さが必要とされています。
ただ、どのくらいの厚さがあれば妊娠するのかという関連性を示した論文は実は存在しないようです。医学的にも子宮内膜が厚ければ妊娠しやすいかといえばそうでもないようで、逆に内膜が薄い場合は妊娠しないかというとそうでもないようです。
では、6㎜とか8㎜という基準はどのように定められたかというと、おそらくそのクリニックの臨床上の経験によるところなのでしょう。いわゆる妊娠率や出産率などによって、決められた基準なのでしょう。
最近オーストラリアの医学雑誌に、人工授精と子宮内膜の厚さと妊娠の関連について調査した論文が発表されました。
結論から言うと、内膜の厚さと妊娠との間には関連はなかったようです。ただ、ランダム比較試験やコホート研究の一部の論文では、関連があったという結果が出ているようですが、論文の質はあまり高いものではなかったとこのとで、これだけで関連があると結論付けることはできないとのこと。
人工授精にしろ体外受精にしろ、卵胞疏育てるために誘発剤卯服用したりあるいはHMGの注射をすることがありますが、一般的に用いられるクロミッドやフェマーラでは、クロミッドの方が子宮内膜を薄くする副作用が強いと言われていますが、上記の論文では両者の間には有意差はなかったとのことで、どちらを使用しても人によって内膜の厚さに影響がある場合があるとのことです。
唯一差があった方法としては、クロミッド+HMGの組み合わせは、フェマーラ単独よりも薄くなる傾向にあるようです。
なので、内膜が薄いからと言って例えば人工授精を延期したり、体外受精の移植を延期することはないというのが、現時点での医学的な結論のようです。
子宮内膜の厚さよりも、子宮内膜の質や子宮内環境が着床に適した状態であるかどうかが重要なのでしょう。子宮内膜が厚くならないと悩んでいる方にとっては、この論文の結果で前向きな気持ちで治療の取り組めことになるかもしれません。