おはようございます。
三田明の歌謡ショーの帰り道、焼肉屋さんの看板が目に入った。5時開店にも拘わらず、既にかなりの人が焼肉を頬張っている。人気があるのね。徐々に期待が膨らむ。
店に入ってメニューを見れば、2680円と2980のコースかあり、2680円は鶏肉と豚肉中心、牛肉は限られる。2980円では全部で100種類のメニュー、もちろん牛肉もたっぷり楽しめるという。
300円しか違わないし、当然のことながら後者を選択。しかしながら、制限時間は80分。時間制限があると思うと、さっさと頼んでさっさと食べなきゃと、やはりあせってくる。
いきなりのお肉も下品かなと、はやる気持ちを押さえて、まずはサンチュ12枚と生ハムシーザーサラダを頼む。が、それ以降は、普段たっぷり食べられない牛肉に集中!
上ロースステーキ2皿、ねぎ塩ロース1皿、ロースの塩味2皿・・・とにかくロースと名がつけば、どんどん頼む。来た。見てビックリ!ここの極厚上ロースステーキはやたら大きい。普段の夕食なら一枚で十分だ。美味しい!どんどん食べる。
更にまたまた上ロースステーキ2皿。だって家ではこんなに牛肉食べれないんだから。まだまだ大丈夫。次に、ハラミ1皿、塩タン2皿。嬉しいな!
さらにカルビにも手を広げる。極厚カルビ2皿、極厚カルビ塩味1皿・・・あれっ?タンが来た?タンより先に頼んだステーキ2皿がまだ来てないのに・・・。注文入力をしそこなったかな? これはまずい! 少し待つか店員に聞けばいいのに、時間制限がある中で肉が途切れたら大変と、念の為またまたステーキ2皿注文。少し落ち着けと、キムチ盛りと白菜キムチ、なぜか似たようなキムチばかりを頼む。焦りか。お腹は膨れ気味、少し頼み過ぎたかなと頭をよぎる。
入力ミスかと思ってたステーキが来たらどうしよう、きついな。
メニューをパラパラめくる、あっ!私の好きな海鮮があるではないか! 海老にホタテにいか。更に、すきやき牛もある。ミスったかもしれないステーキのことはすっかり忘れ、大胆にも全て注文入力。
かなり食べたねと友と目を合わせるが、互いの瞳の奥には、ちょっと頼みすぎたんじゃないかと不安の色が漂っている。
来た!海鮮が来た。肉じゃないんだから何んとかいける、いかなくちゃ。焼く食べる焼く食べる、焼くなんとか食べる、焼くなんとか食べる。味がかすんできた。あと少し。なんとかたどり着かなくちゃ。ふ~っ。
 とその時、「お待たせしましたぁ~」と大きなステーキが2皿! まさか!まさかのあれが来た! 入力ミスしたんじゃなかったのか。食べなくちゃ。注文して食べられない人はどうしているんだろう、残したらどうなるのかな、お持ち帰り?そんなことできるはずがない。テーブルの上には、今きたばかりのロースステーキ2皿がデーン!それに海鮮が一皿、サラダ少々。ステーキの何と大きく見えること。気がつけば私の右肘に隠れて、まだステーキが一皿あるではないか!なぜこんな所にあるんだ。もう無理か・・・。
そうだ!焼けば縮む!
私の世代は残せない!頼んでおいて食べられないなんて、そんな自分は許せない!
〈もう無理〉でも食べる、〈もう死んじゃう〉でも食べる。自分は間違えちゃいない!
食べる・・・飲む・・・食べる・・・飲み込む・・・。
ふぁ~、食べきったぁ~! 
 牛肉ちゃん、今度はもっと大切にいただきます。      
             〈終わり〉