題名『流れ星に願いを』


「あっ、ながれぼしー」

10才の娘が必死に祈る

まだ夢を見れる歳のようだ

「なぜパパ、祈らないの?(怒)」

今度はお説教だ…こうべを垂れる

ママそっくりになってきた


病院の帰り道

願いを叶えてくれるなら

世界中の夜空を探すだろう

余命を聞いた日から

この世に裏切られた気がして

何も信じていなかった


娘は裏切られたとそう言って

流れ星を恨まないだろうか

「あっ、また星だっ、パパっ!」

私は妻の奇跡を祈った

一日でも長くこうやって

ママのことを願う時間を作ろうね


流れ星に願いを

そうさ、だれも信じてはいない

信じたいだけなんだ

流れ星に願いを

だから、だれも恨みもしない

「大丈夫?…元気を出してパパ」


そっか、わかってるのか

私を励ましたかった演技なのか

娘は私より、大人のようだ

満天の星屑と

手をつないだシルエット

娘の笑顔が、私の流れ星だ