先日、車椅子を押して家賃の支払いに行った老人、

けさ電話がかかってきて、

きのうの日曜日、息子さんが訪ねて来てくれたそうだ。

嬉しそうだった。

一番の薬だと思う。

 

 

生涯ずっと独身だった高齢者も少なからずいて、

結婚したけど子どもはいない方、

子を先に亡くされている方もいる。

一人っ子が海外在住で実質身寄りがないという高齢者も。

 

・・・、自分だけが生き残っているという、

高齢者の孤独。

 

 

ホームレスの支援をしていたとき、

ホームレスから抜け出すには、

まず、住所を得ることだった。

住み込みの仕事があれば話は早いが、

年齢によっては難しい。

いちど生活保護で無低(無料低額宿泊所)に入居し、

3ヶ月我慢すれば、アパート住まいへ移行できる可能性が出る。

そうやって住所を得て、電話も持って、

で、就職探しに移行できる。

無低でもそこに住民票があれば就職活動はできる。

 

ネカフェで連泊していても、ネットで日雇いを探すことはできるが、

それでは、ネカフェ暮らしから抜け出すことが難しい。

 

・・・、生活困窮状態での孤独。

 

 

私が大学生になって奨学金を申請したとき、

親の年収は130万円だった。

 

ワーキングプアの方々の苦しみ、

カネがないことと、孤独。

 

のどから手が出るほど欲しい安定した仕事。

カネが欲しいんじゃなくて、

仕事が欲しいんだ、

ということ。

 

 

それでも自分は、

どこかの坊ちゃんみたいに水泳などやらせてもらって育った。

結婚した。

妻や子どもたちと暮らしたときもあった。

妻と買った家もあった。

が、今は、

妻も子どもも、家も失った。

 

かつてはあったが失ったという、

高齢者の孤独に近いと思う。

 

働けなくなれば、即、

生活困窮での孤独がやってくる。

 

もって生まれたもの、

ぜんぶ、使い果たした。

 

 

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