見た日 : 2024.6.8.
見た場所 : 東京 銀座ブロッサムホール
◆◆◆◆◆
 

 

 

《第1幕》 (88分)
 17世紀のスペイン。
 女たらしの貴族ドン・ジョヴァンニは仮面をつけ、騎士長の娘ドンナ・アンナの寝室に夜這いをかける。見張り役をさせられているのは従者のレポレッロだ。ドンナ・アンナは強く拒み大声を上げる。その声を聞いて駆けつけた父親の騎士長は、ドン・ジョヴァンニに決闘を申し込むも返り討ちに遭う。
 ドン・ジョヴァンニは人を殺したのに気にもかけず、また別の女に手を出そうとする。しかしそれはかつて妻にするとだまして手に入れた挙げ句に捨てたドンナ・エルヴィラだった。ドン・ジョヴァンニはドンナ・エルヴィラを従者に任せて逃げ出す。
 次に狙ったのは農夫マゼットと結婚式を挙げるツェルリーナだ。自宅で宴を開いて村人を招待しマゼットの気を逸らしている間にものにする計画だったが、ドンナ・エルヴィラの邪魔が入って失敗する。
 ドンナ・アンナとその婚約者ドン・オッターヴィオは憎い仇と知らず、ドン・ジョヴァンニに父親の仇討ちの手助けを請うが、別れ際の声でドン・ジョヴァンニこそ父親殺しの犯人と気づく。
 その悪行は集まっていた村人たちが広く知るところとなるが、逃げ出して窮地を切り抜ける。


――― 休憩 15分 ―――


《第2幕》 (80分)
 懲りないドン・ジョヴァンニは今度は元カノ、ドンナ・エルヴィラの侍女に目を付ける。従者レポレッロと服装を交換してドンナ・エルヴィラをどこかへ連れ出させた隙に侍女に言い寄ろうというのだ。
 レポレッロの格好をしたドン・ジョヴァンニは自分を捕まえようと捜しにきた村人たちと出くわす。体よく他の者を追い払ってマゼットと2人になり、叩きのめす。
 その頃、ドン・ジョヴァンニの格好をしたレポレッロはドン・ジョヴァンニと勘違いされてドンナ・アンナたちに追い詰められてしまうものの、何とか逃げる。
 そんなドン・ジョヴァンニとレポレッロが落ち合ったのは墓地だった。そこには殺した騎士長の石像が立っていた。改心を諭す石像にひるむことなく、豪胆にもかえって石像を食事に招待する。
 ドン・ジョヴァンニは、屋敷でドンナ・エルヴィラに行いを改めるよう説得されても一切聞く耳を持たない。そしてその晩、本当に騎士長の石像がやって来る。
 石像は再び心を入れ替えるようにと言って聞かせるが、それを拒否したドン・ジョヴァンニは炎に包まれて地獄に墜ちるのだった。
     * * *
 モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を映画仕立てにしたものを見てきた。
     * * *
 イタリア語の作品なので「ドン・ジョヴァンニ」と言うが、舞台のスペイン語で言うなら「ドン・ファン」だ。ドン・ファンの伝説からきた作品らしい。女好きだし新婦にまで手を出すし人も殺すし、どうしようもない男だ。
     * * *
 あるサイトでは、実際にはドン・ジョヴァンニと言う時はモーツァルトのオペラの主人公で、ドン・ファンと言うとスペインの伝説の人物を指すことが多いとされている。
     * * *
 実は音楽が私の好みより重いと言うか硬いと言うかで、結構船を漕いでしまった。幕間の休憩に入ると隣席の怪しい人物に「面白いですか?」と話しかけられたが、あれは「寝てましたね」って意味だったかな? (^_^;)
     * * *
 入場時に配られたパンフレットには“隠された秘密”がいくつか紹介されている。セリフのない若い従者(イザベル・アジャーニの弟が演じている)のことも出てきたが、あまり存在感がなかったように感じた。映画独自の役だそうだ。