会期 : 2024.3.20.~3.24.
見た場所 : 横浜・桜木町 横浜ブルク13
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 フランス人作家シドニー。彼女の処女作が日本で再出版されることになり、出版社に招かれて来日する。
 生まれて初めての日本だ。降り立ったのは大阪。フランス留学の経験がある編集者・溝口がつきっきりで案内する。
 子供の頃、交通事故で両親と弟を1度に亡くし心の傷となっている。さらに後年、夫アントワーヌも交通事故で亡くした。助手席にいた自分は生き残ったのに。
 移動中にアントワーヌを見かける。見かけた場所に慌てて戻るが姿はない。以後、不可解な現象が見られるようになる。
 記者会見や出版記念サイン会などの仕事ばかりでなく、溝口は京都、奈良、直島へとシドニーを連れていく。
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 濡れ場は写真だった。画像に載せられる熱い会話の割に写真の中身はユーモラスというのか、おかしみをたたえたものだったと思う。
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 終映後に登壇した監督が、誰か他の人の作品に濡れ場を静止画にしたものがあったそうで、その“オマージュ”だと言っていた。
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 モリモリ食べる幽霊は「生」を得ているかのようだ。シドニーが「死」に傾いていくようで対称的。
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 美しい日本をいくつも紹介している。
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 溝口役の伊原剛志は元はフランス語ができず、特訓したのだそうだ。4ヶ月特訓したところでコロナ禍になり撮影が延期、再開する際にさらに4ヶ月特訓したとのことで、「計8ヶ月特訓できたのはよかった」と本人が壇上で語った。セリフ以外のフランス語は全く分からないらしい。
 

(左から)本編にも出演した通訳者、監督、伊原剛志