夫の母親が先日なくなりました。

戦後も、高度成長も、バブルも、今の世の中も

全て見てきた人でした。

長崎の山奥で、夫が建てた大きな木の家に、

息子夫婦とすんでいました。

たまに、遊びに行くと

ニコニコと笑顔で奥から出てきます。

畑仕事で陽に焼けて、しわだらけでした。


長崎空港は、約束通り雨☔️


亡くなったと知らせを受け、慌てて帰ると


薄紫の着物を着せられ、

ミントグリーンの珠数をもち

綺麗に化粧をされて

棺桶に寝かされていました。


元が良い顔立ちだったので

92歳に見えない

上品な美しさです。


最後に会いに来るお客様も感嘆して

『きれかね〜』と長崎弁で褒めてくれます。

女性に褒め言葉はご馳走です。

きっと、喜んでいる事でしょう。


旦那様は、20年前に肺がんで亡くなり、

1人の時間が長く寂しかった事でしょう。


晩年、息子夫婦と上手く行かず

辛い日々で、娘が大丈夫か尋ねると、

『なれとるから、よかよか』と答えます。

本当は、心無い態度に

慣れてる人なんて居ないはずです。


自分も、肺がんだったのですが、

家族に病気を隠したまま

最後を迎えました。


その顔からは、優しさと

現実から解放された

清らかさしか感じませんでした。


決して不幸な人生だと思いません。

4人も子供を育て、曾孫までいるのですから、

喜びも、数え切れない程あったはずです。


会場には、並び切らないほどの花

300人近い人が

最後のお別れにきてくれました。



残された親族が相続でもめています。

亡くなる時は何も持っていけません。

欲で醜くなる前に、やめましょう。


寿命がきたら、

美しい姿で、お母さんのように

サラッと去りたいものですね。


ありがとう、お世話になりました。