人は死んだら、善行寺さんに行くのだと​​​​​​子供のころに教わりました。

今思うと、全員ではないのですが・・・

縁を結んだ人は、死後来るのだと思います。

実際に子供のころに経験をした話を書きます。

 

 

 

古くから「遠くとも一度はいれ善光寺」と言われている国宝・善光寺様

 

本堂の壁に25体の菩薩様が雲に乗って極楽浄から迎えに来た様子が描かれています。

そこは、菩薩像の乗っていない雲があります。それは、信者を乗せるための雲なのです。

その雲に乗ることができれば、極楽浄土に直行便で行くことができます。

 

その前に、切符が必要です(笑)切符とは「お戒壇巡り」です。

もちろん、信仰心があったほうが、さらに良いでしょう。

 

内陣の奥に「入り口」と書かれ、真っ暗な地下へと誘う階段があります。

その中は、本当に明かりのない暗闇で、前のも見えません。壁に手をつき恐る恐る進みます。

私は怖がりなので、夫のバックをしっかり握り放しません(笑)

見てはいけないものも、見えてしまいそうな闇です・・・

 

 

 

 

奥には「極楽の錠前」と呼ばれる巨大な錠があり、触れることができます。

これで、上に安置されたご本尊様と繋がり、極楽浄土に向かうご縁を頂けます。

空席の切符を手に入れました。 これで、亡くなった人は善光寺様に来るという訳けです。

 

私は、母方の祖母を中学生の時に亡くしました。

正直なところ、そのころは縁の深い祖母だと思っていませんでした。

母は大変悲しんでいましたが、ちょうど修学旅行と重なり

お通夜だけ出席して、お葬式の日は修学旅行に向かいました。

 

戸隠でスキーをすることになっており、最初の日は善光寺で1泊することになっていました。

すっかり、祖母の事は頭の隅に押しやり、お土産物を買ったりして楽しく過ごしました。

山門に向かう石段や、大きな本堂の事をよく覚えています。

 

旅館につき、お通夜の疲れもあり、食事までの間大部屋で、うとうとしておりました。

枕にした座布団や、友達の声がする感覚を今でもよく覚えています。

浅い眠りの中・・・先ほどの善光寺の石段を 白いお遍路姿で、傘を被った人たちが登ってきます。

人によっては杖を突いています。山門のほうへ続々と登る様を夢の中で眺めていました。

 

その後食事をとりお風呂に入り、おしゃべりをしながら眠りにつきました。

修学旅行につきものの、怖い話しや、コイバナをしたように思います。

私と友人のとなり、私が眠ってしまうと、友人が最後の起きている人になりました。

その直後から、チリチリと鈴の音が始まりました。

チリチリチリ・・・  チリチリ・・・  チリ・・・

友達は眠れなくなり困ったそうです。

 

 

その後は何事もなくスキーや観光を済ませて

帰宅しました。

肩を落としている母に、お葬式の様子を尋ねました。

出棺の時に、祖母の好きだったものを入れて良いと言われて

好きで集めていた土鈴の一つで、善光寺産の鈴を入れたと言われました。

 

お葬式の夜、私の眠った後になっていた、チリチリという鈴は

祖母が善光寺まで来ていた合図なのかもしれません。

26番目の雲に無事に乗れたのだと思います。


占い師の方に、母方のおばあ様がアドバイスしていますと

言われることが度たびあります。

叱られるときも、褒められるときもあります・・・(笑)

 

祖母のまだ元気だったころに、旅行のお土産に小さいお地蔵さまをもらいました。

まだ、小学生だったのですが、今でも大切に持っています。

 

何だか生きているときは縁が薄かった祖母ですが

母が元気でいられるのも、祖母やご先祖様のご加護ですし、

今でも、私を守ってくれている存在なんだなぁと

嬉しく思い感謝しています。