有一天-生生発展- | 心と身体の解放の地-内モンゴル草原 自然の力

有一天-生生発展-

自分の本音に気づいてしまった以上、もうウソはつけない。
内モンゴルのプランについては話していた。
リアクションはいまいち。もちろん協賛もない。

確かに、何かが自分でも引っかかっていた。
検証しなおして、自分なりに考えたプランをもう一度ぶつけてみよう。
ただ。。それには暫く日本を離れることになる。
実はそれこそが、”本音”だった。
日本を拠点にして動くなんて、そんな中途半端なことしたくはなかった。


さっさと伝えればいい。
普通に考えたら何が問題?って話でしょう。
でも、私にはこの事が、とても大きくずっと圧し掛かっていた。

答えはわかっていた。
ずっとずっとずーっと前から、物心をついた時から
自分がしたいことはわかっていたのに、その壁を突破できずにいた。

”彼”にはある癖があった。
間口を広く自由にして、行動の許可を出す。
けど、すぐに緊急停止のサイレンが激しく鳴る。

結局、許可は下りない法則 が、しっかりと思考に定着していた。



でも、これ以上は無理!もう押さえることはできない。
やりたいものは、やりたい。
なぜ、それがいけない?
今度ばかりは引くことはできない。。このタイミングを逃したら一生後悔する。。


譲れない全ての段取りは完了。彼女のいる病室に向かった。
彼女が部屋を離れる15分の間
”決定事項”として、今後の予定を”彼”に伝えた。


「いったい何を言い出すんだ?!
この状況を考えれば答えはわかるだろう?」


そんなセリフを用意して彼のほうを見ると、満面の笑みで「そうか」と。

(ナニ、この予想外な展開。。
こないだ反対してたよね?てかむしろ喜んでるじゃない。。)

確かに、前回までは内モンゴルが軸だった。すぐに行ってリサーチしたいと。
調べきっていない架空のものをプランとして出していたから。
でも、そもそもそれがハイリスク。
希望や期待はわかるけどプランとして正直成り立っていない。

今回は、自分の基盤を中国という国を軸に作りつつ、
内モンゴルを客観的に見てリサーチしていくことにした。
結局は、中国に包括された場所である以上、”大”を理解しないことには始まらない。
その上で、事業として利益を出せるのか、Goできるのかを判断していく。
大都市から、引いて見ることが必要だと思った。大好きな場所だけれど。

日本では、地方から入って都市に移行していくことは可能だと思う。
でも、中国では。。。小から大には限界があるような気がした。
ならば最初に大から入らないと。。で、一番近い大都市、北京を拠点にした。
そんなプランを伝えた。

「そう!それでいいじゃないかな。そうかそうか」
笑ってる、いや泣いている?
そんなに子供みたいにはしゃがないでよ。


すると、彼女が部屋に戻ってきた。
すぐに東京に戻らないといけない私の事情を彼が伝えると

「早く行きなさい、わたしは一人で大丈夫だからっ」

聞いたことのない、ハリのある大きな声で彼女は叫んで
毛布をかぶって横になった。

えっ?!
目を疑った。耳を疑った。
この3年間、誰かの介助なしでは自分のことができない状態の彼女がなぜ?
今。。自分で横になった。。よね?
しかも、あんな大きな声出して。。

いったい何が起きている?
何も知らないはずの彼女が、なんで。。
伝わってるの?わかるの?


いち早く、今後のプランを聞いた内モンゴルの朋友が言っていた。

「奇跡が起きるよ。病院に行って、それを伝えてごらん」

1番の栄養を与えることになるよ そう表現していた。
そして、奇跡は起きたようだ。。


彼も彼女も、まるで別人のよう。
自分の人生の中で、こんなことが起きるとは想像していなかった。
彼の法則が覆された。
いや、彼の法則ではなく、私の中の法則が見事に崩壊してくれたようだ。

しばし呆然。
自分がとんでもない誤解をしていたことに気づく。


自分の人生のことなのに、
自分以外の人間に許可を得ようとしていたこと。

物事がうまく流れない時に、
不安要素を洗い出して、解決する方法を考えず
最後までちゃんと向き合って話し合わなかったこと。


思いがけない展開に繋がったのは、たった一つの動機に過ぎない。
譲れなかった。どうしても突破したかった。
だからとことん考えて考えて、
自分の不安要素を消した結果を伝えた、だけだった。

それが今までできなかったのは、
”結局、許可は下りないでしょ法則”が頭にこびりついて
事実を最後まで向き合わず、勝手に答えを決めて諦めていただけ。

たった、それだけのことだった。
縛っていたのは、自分自身の頭の中の処理の問題。

見えない鎖に斧を振り下ろそうとしていたけど
鎖どころか、ゾウには羽が生えていた。


彼も彼女も、みんな自分の人生を凛と生きようとしていた。
離れることで、互いが変化していく様を感じた瞬間だった。
それは、わたし自身がずっと望んでいた関係だった。

ウチの会話じゃないみたい。。
でも、紛れも無く我が家の1シーン。
記憶が、記録が塗り替えられた瞬間だった。

なんだか、皆に祝福されて結婚するみたいな安堵感(w
あとは前を見て進むだけだ。。


この時を、ずっと待ってた。
ようやく動き出す。
自分時間が始まる。



帰り際、彼がつぶやいた。

「こないだ貰った本に、好きな言葉が書いてあったよ」
参考までにと、レイキの本を渡した。
こういうのは読まないよ。。そう言ってたはずなんだが。。。

彼が物心をついた頃、家にあった掛け軸の言葉が、その本にあったという。



生生発展



絶えず活動しながら発展すること。


人は変われる。
諦めなければ達成できる。

自分と向き合って、越えていける人が好き。
自分も、そうありたいと思う。


私も好きだな この言葉。