9時起床。
日記など、こまごまと事務。

10時、事務の後は、ジム、
ホテルのプール一人で1時間、1200水中走。

12時、ホテル発、
ソール・チャムシル体育館。
K―1ワールドGP2004inソウル大会。

周りの景観、その期待値、雰囲気を含めて、
93年の第一回のK―1大会が開催された、
代々木体育館を思い出す。

韓国は、前売り券システムが、
確立していなく、当日まで、動員数が読めない状況だが、
観客、つめかけてくる。
オープニング、会場前でファンにインタビュー。
選手、個々の認知度も高い様子。
観客動員は、一万人を超えたようだったが、
会場熱はすこぶる高かった。

しかも、昨日までの強い雨もあがり、
晴れ男、谷川の面目躍如。
本日も、ヨン様ルックで登場。

リザーバー戦、2試合の後、
K―1ソウル大会、スタート。

とにかく、「シルミド」「ブラザーフット」の影響で、
大会演出用の火薬が怖くてしょうがない。

第1試合 一回戦 
×曙 《判定》 ジャン・チンジュン○


片や、日本の国技の元、横綱、
片や、4000年に一人の散打王。
と前振りは、大仰。
曙、インタビューでも「全試合1RでKO」宣言。
個人的にも、取材を重ね、家族をバックに戦う、
その姿勢に思い入れていた。
どころか、その曙の姿を見せたく、
我が家の母も招待するはずだったのに……。

しかし、試合は、張の徹底したヒット&アウェー。
ロングフックで飛び込み、つかまればクリンチの繰り返し。
曙は、ただ、リング上で、ふて腐れたような顔でノロノロ、
手数もなく、噛み合うことも無く、イエローカードの連続。
延長1ラウンドで、判定。曙、一回戦で姿を消す。
これには、明らかに関係者のショックも大きい様子。


第2試合 一回戦 
×ドルゴルスレン・スミヤバザル 《2R 1'08" TKO》 子安慎悟○


スミヤバザルは、横綱・朝青龍の「兄は10倍強い」発言もあり、
強さへ幻想は充分、しかも、相撲、レスリング出身とは、思えぬ、
軽快なステップだが、
子安に、ローキックを集められ、2Rで、戦闘不能。
総合2戦に続いて、また試合中の負傷でタオル投入。

第3試合 一回戦 
○中迫 剛 《判定》 イ・ミョンジュ×

韓国人選手登場で、会場、異様な熱狂のなか、
1Rから激しく打ち合い、一進一退、今大会ベスバウト。
途中、何度も、ローブローで中迫の金的狙われる。
俺、金主席暗殺、韓国側の「シルミド」戦略と名づける。
中迫、そのなかを、かいくぐり、アッパーを数度炸裂、ダウンを奪う。
しかし、日本発祥のK―1で、
これほど、反日本・アウエイに身をおくことはなかったので、
この、きな臭い熱狂は、ずば抜けて、新鮮な体験だった。


第4試合 一回戦 
×デニス・カン 《1R 1'48" KO》 ガオグライ・ゲーンノラシン○



韓国、カナダの混血、デニス・カン。
会場前、一番人気の精悍な風貌、
タイ人とは体格差もあるだけに、
勝ち上がれば、盛り上がると思っていたが……。
対戦相手の20歳の若さで、
ラジャダムナンの2階級を制覇の強豪、
ガオグライ・ゲーンノラシンに、
カウンターの右ストレート一発で破れる。
これで、韓国軍全滅。
勝ったムエタイ、小兵ながら、「K-1 MAX」ブアカーオの再現か?


第5試合 スーパーファイト
○レミー・ボンヤスキー 《2R 1'59" TKO》 アジス・カトゥー×


この大会、惜しみなく、K―1王者も、投入。
序盤、一進一退の展開も、
2R、ボンヤスキーが右ミドルに、カトゥーの左腕が破壊。
レフェリーストップ。

このあたり、放送席サイドが慌しくなると、
曙の準決勝進出が取り沙汰されるようになった。
中国のジャン・チンジュンが
曙戦で、右下腿骨骨折の疑いで棄権したため、
一度は、角田競技統括プロデューサーが、
曙が準決勝進出と誤った発表をしたのだが……。
リザーブ・マッチのルール規定で撤回。
その舞台裏の攻防、混乱、異国だけに興味深い。


アジアGP第6試合 準決勝 
×ソ・チョル 《判定》 子安慎悟○


リザーブマッチに勝ちあがった、ソチョル。
地元、韓国、場内からは大歓声。
このまま決勝へ行けば、会場は盛り上がるだろう~と思ったが……。
子安がローを重ねて、ダメージを蓄積させ、
終了のゴングと同時に、ソ・チョルはマットに横たわる。
逆に言えば、そこまで気力で立っていた。
判定は3-0で子安が勝利。


第7試合 準決勝 
×中迫 剛 《判定》 ガオグライ・ゲーンノラシン○


体格差これだけあっても、
ムエタイの前蹴りを突破できず。
中迫敗退。
これで、決勝は、中量級対決に。


第8試合 
○グラウベ・フェイトーザ 《1R 1'49" KO》 TOA×

舞台裏レポートのため、観戦できずだが、
鮮烈の左ブラジリアンハイキック一発で決まったよう。

第9試合 
○ジェロム・レ・バンナ 《1R 0'53" KO》 テレンス・リーズビィ×


バンナの復帰戦の相手は、
急遽決まった、ピンチヒッター、ミニ ・タイソン風、筋肉マン。
突進をかわすと、左ストレート一発でひるませ、
あとはパンチングボールを打つような、ラッシュ。
最後は膝で完勝。
トーンメントは、ある意味、全カード波乱だが、
スーパーファイトは、全部、順当。

第10試合 決勝 
×子安慎悟 《再延長 判定》 ガオグライ・ゲーンノラシン○


最軽量、小兵対決の決勝戦に。
「両者アンダー・ウェイトで失格。
結局、曙の不戦勝で優勝でどうだ」~と冗談も。
ガオグライ、前蹴りで突き放し、連打を許さず。
延長戦へ突入。延長2R、ついに子安力尽きる。
新日本キックの伊原会長もリング上でガオグライを祝福。

小さな体ながら、ひるまず、
満身創痍で、決勝まで上り詰めた子安、
試合終了後、会場片隅で号泣。その姿、胸打つ。

控え室で、優勝したガオグライをインタビュー。
伊原会長も同席。
王者、小兵、小声で、シャイ。インタビュアー泣かせ。
しかし、体重78キロ……。
それでも、K―1本戦の、バンナ戦すらも、
恐れはないというところが、立派。

関係者の思惑通りには、進んでいない大会ながら、
見渡す限りのネガティブな状況で、
ポジティブなドラマを探すのが、俺たちの仕事なり。

全選手参加の慰労会がスポーツカフェで。
出口で、スミヤバザルのインタビュー。
「もう、総合ルールに絞りたいと……」

ホテル近くの「バンブーハウス」打ち上げ。
スタッフ、出演者含めて、大人数の大宴会に。
シュレック姫も参加。
体育会系女王の血、全開。
気取りなく、気さくなアネキぶり。
その姿、見ながら、芸能界は、
「体育会系の血」が、人の上に立つ「地位」を作り、
「文科系の血」が、人の心に残る「作品」は作る、
……と思った。

この席で、清原さんに勧められた、
号泣本、「ラーゲリから来た遺書」の
「驚き桃の木20世紀」版のDVD焼きを進呈。

「酔っていると忘れるから、後にしましょうか?」
と確認して渡すが、帰り際、三宅アナが、
置き忘れた、DVDを発見。
……この話も、また泣けた。いいオチ。

さらに、清原さんの忘れ物の話を聞いた、永盛園長、
「え、え、なにを忘れたの?」と食いつく。
『ラーゲリから来た遺書』と俺が答えると、
「ふ~ん、『来月の請求書』?」と
何かの仮払いと勘違いしたようだった。

打ち上げ後、お姫様一行は、韓国マッサージへ。
男子一行は、ウォーカーヒルのカジノへ。
俺、初ウォーカーヒル。
ラスベガスに比べて、
ホテルのワンフロアーだけのこじんまりした印象。

専哉さんから、バカラを伝授される。
基本的には、丁半博打。
だが、専哉さんに乗っかって、同じように賭けていたら、
あっと言う間に5万円負ける。
「賭けは、負けている人の逆を張ればいいんだよ!
 だから、さっきは僕の逆に張っていたら今頃、大勝してるよ!」と専哉さん。
と基本的ながらカイジ的博打情報開示。
なるほどだが、なかなか出来るもんじゃない。
アジアらしく「大中」にも、しばし張ったが、手持ちのお金なくなる。

永盛さんとタクシーに同乗してホテルへ。
何故か、若き日の風俗王話を熱弁しながら……。
朝3時に就寝。

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