じゃ、行こっか。」
「うん、行こっか。」
車に乗り込んで、ブツブツと考えてみた。
「私なんでそう思い込んでたのかな〜
最初の説明で都合良く解釈しちゃったのかな。
テイクアウトしておうちでって、良い考えだね。
鍋もいいな〜今度時間ある時鍋だね!
一緒にお料理も楽しそうだね。」
「でもな。
営業マンさんの話を疑うわけじゃないけど、私と担当者さんも、信頼関係で繋がってるんだよなぁ。
怒られないかな。隠すのも嫌だなぁ。
ちゃんと行ってきていいよ!って、確認してから行きたいな。
一応まだ仮交際だし!」
と煮えきらずにいると
「じゃ、やめよう!今日はやめよう。
ちゃんと確認してからにしよう!」
と言ってくれました。
無理に説得したり、強引に誘ってこないところに安心しました。
「なんかごめんね。
行くとか行かないとか。
中途半端な時間どうしよっか。
…あ!!!」
「今!
通ったところ!
モデルハウス!!
テレビで特集されてたところ!
行ってみたかったところ!
ここにあったんだ〜!」
「行ってみる?」
という流れで、おうちに行く行かないで迷って、行かないことにした結果、モデルハウスを何軒か見て回りました。
コンパクトなつくりで、こだわりが随所にあって、見るだけで楽しいおうち。
キッチンに立ってみたり、子供部屋、寝室を覗いてみたり、暖炉があったり、ブランコみたいな椅子に座ってみたりしました。
老夫婦が暮らしてそうなお部屋で、ソファに座ってまったり。
「なんかいいね〜」
「いいね〜」
家のどこにいても存在を感じられそうな空間で、リタイア後こんな風に穏やかに過ごせたら幸せだな〜なんて、妄想してました。
コロコロと意見の変わる私のペースに合わせてくれながら、思いがけず良い時間になりました。
で、この日は終わったのに、のはずだったのに、
がっくり
かなり動揺することになりました。