幼いころから、「ふしぎ」 とか 「ひみつ」 とか 「ぼうけん」 という響きがすきだった。
「ひみつきちー!」
なんていいながら、ともだちと近所のパン屋さんの二階の空き部屋に忍び込んだり、
空き地に放置されていたワゴン車のなかに 「たからもの」 と称したガラクタを隠してみたり…
いま考えれば、完全な不法侵入です……
…ロクなことしてないなー![]()
若気の至り、ということで目をつむってもらいましょう。
あと、とりあえず 「夜」 がすごく好きで、持病の発作で息苦しくて眠れない夜は、
窓を開けて、屋根のうえで(体調悪いくせに無謀)月をぼーっと見あげて発作が治まるのを待ったり。
怖いというより、わくわくしたなー。
あの頃の私にとって、夜は 「ふしぎ」 なことが起きてもおかしくない、ちょっとトクベツな時間だったから。
ま、完全に夢見がちなアホの子でした。
それはいまも変わらず。だけどね![]()
そんな私が中学生の頃に出会った著書。
『少年アリス』
長野まゆみさんという作家さんの著書で、この小説を読んで一気に長野まゆみの世界観にハマりました。
文章の表現の仕方、繊細で緻密な情景描写、不思議で、だけどちょっと怖くて、かわいい物語。
登場人物の名前も、男の子に「アリス」だとか「蜜蜂」とか、思いっきり浮世離れした雰囲気がすき。
あとは「夜」とか、「月」とか、「港」とか、「鉱石」とか、私が心惹かれるモチーフがいっぱい散りばめられてるのもハマった理由かもしれない。
長野さんは物語によって、表現とか作風がものすごく変わる。
近未来的。
ファンタジー。
純和風。
ホラー風。
BL風。
SF?風などなど。
私がとくに好きなのは、やっぱり『少年アリス』のような、ちょっと不思議でドキドキするようなお話。
アリスと蜜蜂という二人の少年が、真夜中の学校に忘れ物を取りにいくところからお話が始まる。
夜の学校では授業が行われていて、アリスと蜜蜂はそのふしぎな光景をこっそり観察していたけれど、
ひょんなことではぐれてしまい、アリスは授業をしていた先生につかまってしまう。
その先生や生徒の正体は――。
アリスはそのクラスで、ふしぎで、でもちょっとこわい体験をすることになります。
んー、こう書いてみると単純にファンタジーって話でもないのかなー?
とにかく独特の雰囲気がある文体とお話で、ぐいぐいと引っ張られる感じ。
発想もすごく素敵だし、アリスと一緒に冒険してるつもりになっちゃう。
天鵞絨の幕で作られた夜空とか、ブリキ板で作る月や貝殻で作る星とか。
心がくすぐられる♪
あと異様に「ソーダ」が飲みたくなります(笑)
長野さんの書く食べ物って、なんだか本当においしそうなんだもん。
文字だけなのに、それがすごく欲しくなっちゃう。
少年アリスに限らず、どの物語でも、出てくる食べ物が欲しくなる(笑)
私が食いしん坊なだけかしら??
あとは忘れちゃいけない。
長野さんの少年はとても魅力的なのもポイント!
個人的には自由奔放で生意気な蜜蜂が、可愛くてすき。
大人になった今でも、たまーに読み返しては、子供の頃のワクワク感を取り戻しちゃうのです。
忘れかけてた気持ちを思い出させてくれるっていうのかな。
現実的にはありえない話が多いし、何かを訴えかける、という話でもなくて、
ある意味淡々とした流れなんだけど、エンターテイメントとしてとても魅力的だと思うのです。
長野さんの作品については、また語りたいなー。