良質な心理学の啓発活動を目指して一年半前に「はてな」さまに引っ越しましたが、この間に私を取り巻く状況は大きく変わりました。
最近はアゴラやyahoo!ニュース、livedoorニュース、日経WOMENさまなど様々なwebメディアで記事が掲載されるようになりました。
本もたくさん執筆しました。
「はてな」さまは記事の発信元としては使わなくなり、記事のまとめ先になりました。
そこで「あめぶろ」さまで復活して日々の心理学者杉山崇のアクティビティを紹介したいと思います。
さて、昨日は勤務先の神奈川大学で朝から夜まで分刻みで動いていました。
一番の大仕事は「企業秘密!」につき内緒ですが、2番目に大きな仕事は臨床心理士のヒナたちに「臨床心理学」の学び方をガイダンスしたことです。
今書いている本が仕上がったら、「秘伝!心理職への道」とかいうタイトルで初学者向けの効率の良い学び方を紹介する本を書きたいと思っています。
ちょっとだけ「さわり」をご紹介します。
1.大学院生は臨床のTrainee(訓練生)、
そして訓練のプロセスは「守・破・離(しゅ・は・り)」である。大学院の2年間はほぼ「守」で終わる。特別なセンスに恵まれないかぎり「破」は許されない。ただし、永遠に「守」ではプロになれない。よって「破」を指導者に相談する創意は妨げない。リアクションは指導者によって違う。時に怒られることもあるが、指導者との最適なつきあい方を探るのも臨床である。どういうことかと言いますと、臨床心理は職人技なのでまずは先達を忠実にまねることから始めなければなりません。これが「守(しゅ)」です。
しかし、どんなに上手にまねても違う人がやるわえですから劣化コピーにしかならないわけです。
そこで、先達から盗んだ技を自分なりにもっと上手に活用する工夫が「破(は)」です。
初学者は「破」のトライアル&エラーで成長するのです。
ただし経験のない若手の「破」は時に無謀な「破」になります。そこで指導者に「この〝破"ってありですか?」と相談をしなければならないのです。
私自身は「破」のトライを暖かく応援したい指導者です。時に苦言を呈することもありますが、ヒナたちが「破」を相談しやすい指導者でありたいと思っています。
ただ、指導者によっては「10年早い!」とやたらと「破」を戒める人もいます。ご自身がそういう訓練を受けてきたのでしょうね…。
その中で傷つく院生が多いことが分かったので、予め「怒られることもある」と教えておきました。
さて、昨日から私たちの訓練生になった修士1年生の皆さん、まずは「守」から始めてください。
ですが、時に怒られながらも「破」の試みも続けてください。
そして腕を上げて多くの困っている人の力になってください。
いつか誰にも怒られないくらいに腕を上げたら、自分の存在感そのものが治療的になったということです。
その時は「師」から「離」れて、存分に活躍してください。
私はその時を楽しみにしています。
「師」というものはお弟子に必要とされなくなる時が、一つのゴールです。
寂しいですが、これが「師」というものです。
10年後か20年後がわかりませんが、みなさんの「離(り)」の時を心待ちにしています。