西郷が檻舎に繋がれていた時の作と言われる詩がある。


 


雨は斜風を帯びて 敗紗をたたく


子規は血に啼いて 冤を訴えてかまびすし


今夜吟誦す 離騒の賦


南竄の秋懐 百倍加わる。

 

(夜激しい風雨が芭蕉の葉を打ち物凄い。

 ホトトギスの鋭く血を吐くような鳴き声は、無実を訴えているようだ。

 その中にあって、讒言によって主君に退けられ

 洞庭湖畔の汨羅に身を投げた楚国の屈原の憂国至情の「離騒」の詩を吟ずると、

 南海の果てに流刑の身の悲痛な思いがいよいよ胸に迫ってくる。)

 

 

そして、


 


朝に思遇を被り 夕に焚坑せらる


人世の浮沈は 晦明に似たり


たとい光を回さざるも 葵は日に向かう


もし運を開く無きも 意は誠を推す


洛陽の知己 みな鬼となり


南島の浮囚 ひとり生をぬすむ


生死なんぞ疑わん 天賦の与えなるを


願わくば 魂魄をとどめて 皇城を護らん


 

(朝にもてはやされたと思うと、夕には生き埋めになる。

 人生とは昼と夜の巡るようなもの。

 しかし、光が射さなくても葵の花は太陽に向かう。

 もし、運命がきわまるとしても、心は誠を貫く。

 都の友人は皆処刑され、

 離れ小島の囚人一人が生き残った。

 しかし生死の運命は天の与えたまうもの。

 死すとも魂はこの世に留まって皇城を守ろう。)

 

 

絶対孤独の牢中で、何が彼を支えたのか―――― 

それは、この二つの詩にあるように「」であろう。

そして、苛酷な環境をそのまま素直に受け止めているうちに、眼前のものに心を奪われていた過去の自分から解放され、己を一個の客体としてはっきり認識する体験を持てたのではあるまいか。

 

 

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