なおこさんのあっちこっちどっち?-200908131951000.jpg
髪の毛、切った。

ショートカット。

すっきりした。

気分が変わった。
頭が軽くなった。

前に進む足が、弾むみたいになった。

楽しい。

ふふふっ(^-^)


公園の芝生は、青かった。
噴水の水は、大袈裟に音をたてていた。

三重県のお家では、珈琲を飲む習慣のある人がいないので、インスタントコーヒーしかないの。


私は、そのうすっぺらい味が、あまり好きではないの。


髪を切った帰り道に、珈琲豆のお店で、珈琲豆を買った。


珈琲豆のお店の珈琲は、おいしいに、決まってる。


10杯分の珈琲豆を買い、エコバックに入れて駅に向かった。


変な感じだった。
帰りの電車は。


ピンクの電車は、東京の電車より、ひどく小さい。

足を伸ばしたら、向かいの席に足が届きそうよ。

背だって低いし。
小さな箱みたい。


田舎町の、家と家の間に敷かれた線路の上を通るの。
大きな川と土手を通るの。ちょうど、夕日が沈むの。

大きな川は、オレンジ色で、切ないくらいに美しいの。


隣の席には、ウォークマンを聴きながら眠っている田舎の野球部の高校生。

あちらこちらから、三重弁が聞こえてくる。


私の太ももに、夕日のオレンジ色が映るの。


東京からやってきて、ショートカットに髪を切り、エコバックに珈琲豆を入れて、田舎の夕暮れの電車に、ちょこんと座っている、私。


遠くに、三重弁のおしゃべりを聴きながら、田舎の町に沈んでいく夕日を、ぼんやりと、目で追い掛けている私。


馴染みたくない。と思う。
この居心地のいい空間に。


最寄りの駅に降り立てば、たちまち、海の薫りが立ち上る。


ショートパンツから、にょきりと生えた2本の白い足。

サンダルの下から伝わる、熱い空気。

足にまとわりつく、生ぬるい潮風。


べっとりとする磯の風に、海に行きたい衝動にかられる。


今すぐに、海を見たい。と。

けれども。


けれども、

私は、ここの人間じゃない。と、思いたい。

東京の人間だと。


もう、戻りたくなくなりそうだから。

働きたくなくなりそうだから。


私は違う。

東京の人間。


自分に言い聞かせて、田舎の駅のプラットホームを歩いた。

短い髪は、気持ちが良かった。

ショートパンツに、エコバックを持って、田舎の駅のプラットホームを歩くことも。


私、美人になりたかった。
田舎の町に馴染みたくない。


なのに、居心地が良くて、不安になるよ。

気が、ゆるんじゃいそう。
なんだか、不思議な気持ちになった。