ブラジル発。スポンサー特典のためにユニフォームの背番号を提供したフルミネンセ・フェイラFC | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

ブラジル発。

 

スポンサー特典のためにユニフォームの

背番号を提供したフルミネンセ・フェイラFC

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》

 

 

 

Picture:Screenshot from Fluminense de Feira Official Facebook Page

 

 


今回はブラジルのあるサッカーチームの話題をご紹介します。

 

 


ブラジルといえば、サッカーの盛んな国として世界中の知るところですが、ブラジル国内リーグの下部リーグに属するチームとなれば、チーム運営にかかる費用を捻出するのはなかなか難しいようです。

 

ブラジルには、カンピオナート・ブラジレイロという国内トップリーグがあり、そこではセリエAからセリエDまでの4部構成・総勢100チームがしのぎを削っています。

 

セリエAがカンピオナート・ブラジレイロのトップリーグ、セリエDが最下部リーグということになるのですが、先日ブラジルのみならず世界のニュースで取り上げられたチームはセリエDに所属しています。

 

 

 


Picture:Screenshot from Fluminense de Feira Official Facebook Page

 

 


' Fluminense de Feira/フルミネンセ・フェイラFC '

 


1941年に創設されたチームは、ブラジルのバイーア州フェイラ・デ・サンタナにホームを置いています。

 

本拠地は16274人収容のエスタジオ・アウベルト・オリヴェイラで、クラブの愛称「トウロ・ド・セルタオン (Touro do Sertão) 」は「旱魃地域の雄牛」を意味していて、チームのマスコットは雄牛です。

 

 


さて、記事冒頭でも指摘しましたが、サッカー王国ブラジルのトップリーグに所属するクラブチームとはいえ、下部リーグの所属となると、チームの運営費用を担ってくれるスポンサーを確保するのも至難の業だそうです。

 

 

そしてチームの資金繰りに頭を悩ませていたフルミネンセ・フェイラFCがたどり着いた打開策のひとつがこちらでした。

 

 



Picture:Screenshot from Fluminense de Feira Official Facebook Page

 

 


ロッカールームで準備万端の選手たちのユニフォームの背中側の写真です。

 

よく見ると背番号が「11,38」、「14,98」と中途半端な数字になっているのがわかります。さらに背番号の左肩には通貨のブラジルレアルを示す「R$」も読み取れます。

 

 

どうしてこんなことが起こったのでしょうか?

 

 



Picture:Screenshot from GOAL

 

 


こちらの写真は選手たちが実際にリーグの試合に臨んだときに撮影されたものです。背番号の上には選手の名前ではなく、「Shampoo」に「Pizza」の文字が読み取れます。

 

そうです、選手の背番号が示していたのは、近くのスーパーの本日の特売品の値段だったのです。

 

ちなみに特売の冷凍ピザの広告塔となっていたのは、チームのエースストライカーFernando Sobral選手でした。そしてピザやシャンプーの他には、シェービングクリームや炭酸飲料なども売り出し商品として告知されていました。

 


この取り組みは、背番号下にロゴがプリントされている米大手スーパーマーケットチェーンWalmartにスポンサー契約のメリットとしてフルミネンセ・フェイラFCが提供したものです。

 

クラブチームとローカルスポンサーに新しいWin-Winの関係をもたらす画期的な(ユニークな?)アイディアだとして、ブラジル国内外の様々なメディアで取り上げられました。

 

 

 


Picture:Screenshot from Fluminense de Feira Official Facebook Page

 

 


サッカーに、しかもブラジルのサッカーリーグに対してかなり興味関心を持っている人でなければ、フルミネンセ・フェイラFCのことなど全く知らなかった、名前も聞いたことがないという人がブラジル国外ではほとんどだったと思いますが、今回の取り組みが欧米メディアでも取り上げられたおかげで、「フルミネンセ・フェイラが世界を席巻した!」とチーム自らがSNSでもアピールしていました。

 

 


ただ残念ながら、スーパーの特売広告仕様の新ユニフォームを着用して臨んだ初めての試合は、スコア6-0で大敗となってしまったようです。

 


※Fluminense de Feira Official Website
http://www.fluminensedefeirafc.com.br/

 

 

 

※ニュースソース

 

※The Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/football/2017/04/07/brazilian-team-use-shirt-numbers-advertise-supermarket-deals/

※Independent
http://www.independent.co.uk/sport/football/news-and-comment/brazilian-team-shirt-numbers-supermarket-prices-a7671991.html

※GOAL
http://www.goal.com/en/news/13712/extra-time/2017/04/07/34380182/brazilian-team-using-numbers-to-advertise-supermarket-prices

※THE DRUM
http://www.thedrum.com/news/2017/04/07/brazillian-football-club-uses-shirt-numbers-advertise-offers-local-supermarket

 

 

 

 

■編集後記■

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

今回のトピックス、楽しんでいただけましたか?

 

 

スポーツ選手のユニフォームにチームのスポンサーとなっている企業のロゴや企業名がプリントされていることは常ですが、まさかスーパーのチラシのようにユニフォームを使うとは、私にとってはびっくり仰天でした。

 

スタジアムで観戦している観客には見えないのではないかな・・・とも思ったりしますが、テレビ中継されていてそれを視聴している方なら、選手にズームインするたびに否が応でも目に入るかもしれませんね。

 

 

効果のほどはわかりませんが、様々な広告手法を考えるものだなあと感心しました。

 

 

 

 

※にっぽんの熱いマーケターの連載コラム、アメリカ&世界各国の旬な
マーケティングニュースをタイムリーにお届け。

 

『にっぽんのマーケター』

 

http://nipponmkt.net/