米第二位のウィスキーブランドが、自社商品を大統領選候補者にプレゼント・・・その効果とは? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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【今週のHOTメラメラニュース From The US】


「アメリカで販売量第二位のブランドを所有するバーボン・ウィスキー
 メーカー『Heaven Hill Distilleries社』が、大統領選の各候補者に
自社バーボン・ウィスキーと社長からの手紙をプレゼント」



【ニュースの裏側】


 アメリカ第二位の販売量を誇るバーボン・ウィスキーのブランド、 「エヴァンウィリアムズ(Evan Williams)」を展開する、ケンタッキー州の『Heaven Hill Distilleris』社の仕掛けが注目を集めている。
 同社は、目下アメリカ国民の大きな注目を集めている大統領選挙の候補者に対して、自社のバーボン・ウィスキーこそが強力なキャンペーンツールであるとして、自社のウィスキー(Evan Williams)と同社の社長からの手紙を各候補者にプレゼントした。
 

 もちろん、ただ候補者に対してウィスキーを送ったというプレゼントであれば、話題性はここまで大きくなかったはず。


 だが、今回は違った。
 なぜ、このタイミングだったのか?
 なぜ、ニュースになったのか?

 

  事の発端は約1か月前に遡る。民主党大統領候補予備選に東奔西走しているヒラリー氏。4月13日インディア ナ州のとあるレストラン&バーに立ち寄った。目的は、あるパフォーマンスのためだった。
 日本でも同様であるが、アメリカの政治家にとってのPR活動は最重要事項であり、候補者は、様々なパフォーマンスやキャンペーンを行い大衆にアプローチし、民衆との距離を縮め、コミュニケーションを密にしようとする。ヒラリー氏のここでの目的は、


「私はとっても現実的かつ庶民的で、地に足がついているのよ(down to earth)」


ということを有権者に対して示すことだった。そこでヒラリー氏はアメリカ国民に愛されている、ある飲み物をオーダーしたのである。
 
 「Crown Royalを一杯」

 「????」


  周囲にいた地元の人たちやブレーン達は、「開いた口がふさがらない」状態に。なぜか?それは、ヒラリー氏オーダーした飲み物が、

 

「カナディアン・ウィスキー(輸入品)」
 
 だったから。現在ではアメリカ=ビールという図式を浮かべる方が少なくないが、「バーボン・ウィスキー」はアメリカ発祥で、建国の昔からアメリカ国民に愛されてきた飲み物なのである。代表的な銘柄は、


 「アーリー・タイムズ(Early Times)」
 「I.W.ハーパー(I.W.Harper)」
 「フォア・ローゼス(Four Roses)」
 「メーカーズマーク(Maker's Mark)」
 「ワイルドターキー(WILD TURKEY)」
 
 などであろうか。そう、これだけの名だたる「国産」バーボン・ウィスキーがあるのに、である。当然、メディアや対立陣営はこの失態に飛びついた。
 
 アメリカの有力紙ウォールストリートジャーナルでは、ちょうどこの時期にバーボン・ウィスキーに関する記事が連載されていたのだが、その記事中でコラムニストはヒラリー氏の失態について言及した。


 「このような失態は、次の決戦地であり、かつバーボン・ウィスキーの
  発祥の地であるケンタッキーでは決して繰り返してはいけない。」

  

  そう、ヒラリー氏は「庶民派」アピールをすべく、アメリカ国民に愛されている「ウィスキー」をオーダーした。が、結果裏目に出てしまったのである。このような背景から、メディアや有権者の意識が自然と高くなって
いたのである。

 また、このバーボン・ウィスキーの一大産地であるケンタッキー州での民主党予備選が、来る5月20日だったことも同社にとっては幸いした。

 さて、このヒラリー氏の失態に大きな危機感と憤りの感情を持ち、また同時に「チャンスだ」と感じ取ったのが、このケンタッキー州発祥のバーボン・ウィスキーメーカー「Heaven Hill Distilleries」社だった。

 

 「私達のバーボン・ウィスキーを手に取り、親しんでもらうことで、
  ケンタッキーの有権者が普段何を飲み過ごしているのか、各候補者が
  それを正しく理解する手助けになって欲しい」

 

 と同社のCEOからの手紙とともに、各候補者へプレゼントを送った。メディア、世論の関心度が高い政治・経済のニュースを見逃さず、あくまでもこのプレゼントは「国民のため・アメリカのため」と、「愛国心」に訴えかけたことによって、人々の支持を得たのである。


 同社の知名度、商品のブランド力、そして企業姿勢に対する評価をぐんと押し上げた、あっぱれ適時打である。  


【真似したい!?切り口】
 
 時流に乗っているホットな政治家の失態・失言を利用せよ
 

 日本でいうなれば、次期総裁候補と呼ばれる政治家の方々の失態失言を
 上手く利用して企業の株を上げ、商品PRに成功したといったところか。
 ただし、世論のサポートがあるのかどうかを見極めなくてはならない。
 また、乗っかる「政治家」選びと道筋を間違えると、企業も民衆も大変
 なしっぺ返しを受けることになるので取扱いには注意が必要だ。


【今週の目ウロコ度】


 4ウロコ

フグフグフグフグ

 「他人の不幸は蜜の味」科目


【PR会社のPR】


電話 「社長さ~ん、PRですよ」」

「良い商品なのに思うように売れない。どうしたら売れるのか?」
「会社のブランド力を向上するために何ができるの?」
    「せっかくの新商品、雑誌やTVで紹介してもらいたい!!」
           
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