とんでもないことを診断書に記載する医者がいて驚くが、中でもだめなのは休職している者が復職する際、
休職する前とは違う部署に異動させろ
といった内容を記載することである。まともな脳みそをもった医者なら「何、いかれたこと書いてるんだ?」とわかるだろうが、そこに全く気付かない医者がいたりするので、休職者の治療がめちゃくちゃになるのも無理はない。そんなことは精神科医が意見することではないのである。理由はいちいち書かないが。
基本的に精神科医(他の診療科でも)は患者の社会的な件に介入しない。従業員の配置については会社と産業医が評価するものであって、会社の体質や風土、当該従業員の具体的業務内容を知ることのできない医者が、「部署を変えろ」といった無責任な発言などできるはずがないのである。それが吉と出るか凶と出るかは出たとこ勝負という考えでは困るのだ。実際、部署を変えることでいっそう具合が悪くなりすぐに休職する人が後を絶たなないという経緯から、現時点では「元の部署に戻す」というのが一般通念となっている。新しい部署にはどんなモンスターが潜んでいるかわからない。なんでもそうだが、全く新しい環境に適応するというのが一番難しいのである。
このような理由で、患者がいくら「パワハラパワハラ」と言おうが、医者はそこに介入しない。そもそもそれがハラスメントかどうかはわからないし、医者はパワハラ認定できる立場にない。したがって、話を聞くことはあっても、そこに発言してはならないのである。