適応障害を「うつ病の軽いやつ」と認識している人がたくさんいる。一般人がそう思うならまだしも、精神科医でも誤解している者がいたりするから、医者の能力格差は悲惨な状態だ。だめ医者にかかるとそれだけで人生終わる。令和の今、適応障害は予後不良である。何故なら社会適応に支障をきたしているからだ。つまり薬物療法は根本治療にならない。社会適応能力に薬は何の効果もない。そもそもの話、「能力」と名のつくものが一朝一夕に身につかないことは多くの人が知っての通りである。幼少からの長い年月の中で培われるのが能力である。そして能力は自然に身につくものではない。意図的に学習を重ねるから能力なのだ。練習もせず金メダルを獲ることなど絶対できない。つまり適応障害の治療の中核は社会適応能力を向上する練習を積み重ねる以外ないのである。

2度3度と休職する患者は、次第に、休職の間隔が短くなり、まともに働けなくなることが医学的に証明されている。1回ならまだしも、2度3度と休職する者は、どんどん復職から遠のき働けなくなる。理由は、社会適応能力を向上させる治療をせず、薬だけを飲んで休んでいるからである。私の知っている限りで、東京都て適応障害の治療に社会適応能力向上プログラムを行なっている医者は二人しかしない。他は「薬を処方し、せいぜい、生活を整えてくださいねと漠然としたアドバイスをするだけ」。これで良くなるはずがない。その証拠に、休職して最初のうちは一旦良くなっても、復職のことを考えると具合が悪くなると言い、実際、復職が近づくと具合が悪くなる者が続出している。