精神科をはじめて受診する人に覚えておいてもらいたいこと。それは精神科診察には絶対ルールがあり、まず最初に「身体の病気をしっかり除外する」である。つまり、最初は特に患者の身体に関する念入りな問診があって然るべきなのである。

からだの調子はいかがですか?
発熱や痛み、腫れ、だるさが、ずっと続いているとか、咳や息苦しさなど、どんどん悪くなっている症状はありませんか?
1ヶ月で3キロとか5キロとか体重の増減はありませんか?

精神の症状を来す身体の病気はとてもたくさんあり、優秀な医者はそこのところがよくわかっている。怖い経験や痛い経験もしただろう。幻覚や妄想があるからと言って即、統合失調症というわけではないのは、ヒューヒューゼイゼイと呼吸困難があるからと言って即、気管支喘息ではないのと同じである。

これらのことから、初診時はもちろん毎回の診察で、身体の調子を必ず聞く医者が、精神科診察の然るべき手順をわかっている医者であり、それをしない医者は、ただ優しげに話をふんふん聞いているだけで、毎回の診察で医学的見立て(評価)や治療方針の説明もせず、 

お薬出しておきますねー

とにこやかに言うだけのスカスカの医者なのだ。