ヒトは夜寝て朝起床する動物である。ヒトの体というのはそのように作られており、そのサイクルに則ってさまざまなホルモンが分泌されている。そのサイクルを壊せば、当然ホルモンの分泌が損なわれるので、恒常性のコントロールはもとより、さまざまなところに不具合が生じるのである。こんなことは高校生物の知識であって医学ではない。というよりも常識の範疇である。

その常識を理解していない大人が爆発的に増えている。どの時間帯でも普通に眠れると勘違いしている。しかし実際は昼寝て夕方起きるというサイクルで「眠れない」のは当然で、むしろ眠れてはいけないのである。ヒトの体や脳は夜寝て朝適切な時刻に起床するこのサイクルで健康な状態を維持するようにできている。それ以外の時間に寝てもらっては困るのだ。だから、それ以外の時間には眠れないようにできている。夜寝て、朝適切な時刻に起床するというサイクル以外では、なかなか眠れないように人体そのものができている。それが健康な体と脳ってものなのだ。

だったら、夜仕事している人はどうするんですか!
という者がいるが、まともな医者なら、
「眠れない」と言って病院に来るなら、そういう生活をやめていただくしかないですね。不眠症の治療をするつもりがあるなら。
というのが正解である。医者は病気を減らし、病気にならないよう指導するために存在するのであって、人の健康を壊す加担をするために存在するのではない。