●エクセルで数字が持つ事実を見抜く技術 | 『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』著者・吉田拳の原稿執筆下書き帳

『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』著者・吉田拳の原稿執筆下書き帳

Excelの関数や機能をマスターするだけでは意味がない!じゃああとは何が必要なのか…22万部のベストセラーであり日本で一番売れているExcelの本、『たった一日で即戦力になるExcelの教科書』の著者、吉田拳の執筆原稿の下書き帳です。


こんにちは。

すごい改善の吉田です。


売上高などの数字は実数だけなく、その数字の持つ意味を表す比(パーセンテージ)も合わせて説明しなければなりません。


去年と比べて成長したのか、縮小したのかを見るための「前年比」。


その内訳と、それぞれの全体における割合を見るための「構成比」。


目標を達成できたのか未達だったのかを見るための「達成率」。


これらパーセンテージで表される数字から、その数字が持つ事実を見抜くことができます。


例えば前年比の場合。


全社の売上高では前年比96%と、やや前年を下回っていたとします。


その場合、何が原因だったかを調べるのに例えば支社別の前年比を調べる必要があります。


この支社別の前年比を調べるには全体の数字を細分化して分解する、つまり全体の内訳を算出する方法を知らなければなりません。


ここで便利なピボットテーブルを使ってしまうと余計に手間がかかりミスが増えます。


やはりここはSUMIF関数で集計するべきシーンです。


その結果、支社別の前年比を見ると沖縄支社が前年比80%と「大幅に」ダウン、さらに首都圏が97%と「わずかに」前年比を割っていたことがわかりました。


では全社での売上が前年を下回った主要な原因は沖縄か、というとそう考えるのはちょっと短絡的すぎます。


消費財メーカーの方ならもうおわかりかと思いますが、沖縄と首都圏ではまず市場の大きさが違いすぎます。


首都圏の前年売上が100億、沖縄の前年売上が1億だったとします。


その場合、沖縄が前年比80%だったということは実数では前年比2000万円のマイナスということになります。


一方、首都圏の場合前年比97%というのは、前年から-3%というのは小さく見えますが実数にすると実に3億円のダウンということになります。


全社に与える影響としては、-20%という「大幅な」ダウンの沖縄よりも-3%という「わずかに」ダウンした首都圏のほうが金額的なインパクトは大きいということです。


次に沖縄や首都圏で前年割れを起こした原因を調べて行きます。


ここでもやはり、支社内の担当者別や顧客別、商品別などの切り口で内訳の数字をだし、その数字の前年比を調べていきます。


すると、例えば


「大口顧客である大手スーパーA社の閉店が相次ぎ出荷量が激減した」


とか


「前年比はダウンしているが前々年比でみると上昇している。昨年は震災特需で一時的に需要が跳ね上がったがそれが落ちついて現状に戻っただけ」


などの、「事実」と「判断」を導いていくことができます。


昨年だけでなく一昨年と比較する視点も持ち合わせておくとなおよいですね。


このように、ただ「全社の売上はいくらでした」だけではなく、その数字が持つ事実を見抜く視点が必要なのですが、それには決して難しい統計知識や数学の知識など必要ありません。


計算は全て加減乗除の四則演算で済んでしまいます。


売上高などの「実績」を「実数」と「比」の二つの側面から見る癖をつけるだけです。


そしてそのような作業の時に、便利な機能として名高いピボットテーブルに依存すると余計に時間がかかりミスも確実に増えて行きます。


実績データの分析に時間をかけていていい余裕はありません。


素早く正確にこうした数字を算出できること、それがエクセルが使えるということなのです。