夜明けまで、あと少し -2ページ目

夜明けまで、あと少し

日々思うことを不定期に綴る備忘録。

小学校、中学校、そして高校。
各クラスでままある登校しぶり。

理由は様々。
そして一つじゃない。

でも、「なぜ」を中心に考えがちになるのがニンゲン。

本人、保護者、担任、部活関係、クラスメイト…。
それぞれの立場で「なぜ」を追及する。
これ、あまり良いことではありません。

以前、クラスの生徒が登校しぶり状態になった時のこと。

まずは保護者様から「きっと友達関係で何かあったはず!確かめて対応して!」というご連絡。

仲の良い子に「なんかあったか、なんか知ってる?」と聞いてみた。
それだけ。
間違っても「あんたら何した?」なんて聞いてない。
それでも…
「またどうせうちらが悪者にされる」
とのこと。

えぇ。「また」です。
聞けば中学校の時も、いつのまにか原因にされてたことがあったらしい。
ケンカもしてない。悪口もいってない。
昨日まで笑って、一緒に遊んでた。
それなのに…。
いや、むしろ、だからこそ…。

とりあえず、誰かのせいにして「解決」した結果がこれ。

絶対にその子たちのせいだなんて思ってないのだが、そう言っても中学校時代の傷がうずいてしまうだけ。
なので、しれっと
「いつも友達でいてくれてありがとね。心配だろうけど、たまに声かけしながら、少し待ってみようね」と言ってみた。
結果、時々LINEで声かけたり、みんなで家に遊びに行ったりしてくれました。

登校しぶりの本人と2人だけで話せた時、小さなモヤモヤの話がいっぱい。
「そういえば」と、次から次へと原因とやらをしぼりだす。
もはや最後は作り出す。
「誰それにこう思われてる気がする。理由も根拠もないけど」

いや、それ、妄想ですらないから💦
でも「うん、うん。」って全部聞いた。
出尽くした頃に
「それだけいろんなことが気になるってことはさ、心の中に触れたくないおっきな悩み、ない?」
と聞いてみた。
「人に言われたくなかったら、誰にも言わないから吐き出しちゃえ」って。

ハイ。出てきました。
家庭内のもめ事に心を痛めながら、親に言えない辛い気持ち。
親にも言わないで欲しいというので、向き合って話すことを提案するに留め…。

まぁ、もちろん「どうなりましたか!」という保護者様からの追撃時に、友達関係では断じてないとお伝え。

「じゃ何!?」には、聞いてるけど、言ってほしくないしホントは親もわかってるはずって言ってますが心当たりは?と。

ホントはちゃんと気づいてました。

でも「犯人探し」ルールでいくと、悪者になっちゃうから。
別の理由を望んでしまっていたのよね。
親子がしっかり話し合った後は、また元気に登校してきました。

だれにも悪気はないのに。
すれ違っちゃう「犯人探し」。

あんまりいい作戦ではないような…。
なんか意味、あるんですかね?

陽キャがいいって、誰が決めたの?
いつでもどこでも明るく空騒ぎ…虚しくない?

私、群れない中高生だったので、今だと「隠キャ」なのかもなぁw

だって、もよおしてもないのに、休み時間のたびにみんなでトイレ行って、
誰かの放尿音を共有するのがトモダチだなんて、まったく思えなかったんですもの。

大学に行きたいって人が44人学級でほんの数人。
しかも、私以外みんな推薦組。
もう、振り切って勉強するの一択でしょ。

高校3年生では、謎の病気で医者から登校禁止令が出て、結果担任にまで「登校拒否の子」って言われてたし。
※大人になって難病の診断でたんですが。あの時の担任にはマジで謝って欲しいわ。

大学に行ってからも、言動を変える気は一切なし。
群れない、ブレないw
結果、複数のトモダチグループにゆるーく関わり、時には我が家が別々のグループの交流の場になるという、ね。

大人になってからは、またまったり一人行動が多くなったけど、特に不便はない。
トモダチとやらが皆無なわけでも、どうやら、ない。

だもんで、教師という仕事の上では陽キャの皆さまの空騒ぎをノリツッコミでいなしながら…
実は全くプラス評価なんかしてませんが、ナニカ。

とはいえ、「隠キャ」と自認して被害意識で凝り固まってモジモジするのも、違うんじゃないの?って思う。
その状態を「先生なんとかして」と言われましても…自分の言動は自分の選択。
その結果についても、ある意味自分の責任はあるよ。
もっとも、それがイジメやイジリになるなら大問題だけど。
「陽キャ」の人たちとの棲み分けが発生することに不満を抱かれても、ね。

周りにどう思われようとも、自分がいいと思うならそれでいいし、いいと思わないなら変わればいい。
「キャラ」なんて所詮、作られたもの。
自分の言動と、それに対する周りの目で形作られるもの。

他人からの評価を変えたいなら、評価の元になる自分の言動を変えるしか、ないよ。

だからって急にパリピになる必要なんか、ない。
いきなりみんなの中心にならなきゃって思うから難しいの。
ただ、誰かと関わる時、ニコッと笑えばいい。
誰かと動く時、ちゃんと協力すればいい。

それだけだと、リアルを見てて思うよ。

支援のプロではない高校教師のくせに…
こんな内容を書き連ねているのは、
高校の教師は支援のプロではないから。

発達障害の診断済みであろうとも、
未診断のグレーゾーンであろうとも、
入試に合格すれば普通高校に入学できます。

少子化の影響で定員割れしている高校も多いので…
実質的には、一部の人気校以外なら、割と入学できます。

ただ、入学したその先には、支援教育には詳しいとは言えない教師と定型発達の子どもたちを基準にしたカリキュラム。
そして同世代の良くも悪くも対等に関わってくる定型発達の子どもたち。

私も、支援を必要とする子が複数いるクラスを担任してから、あれこれ勉強しましたが、やはり付け焼き刃です💦

社会常識を伝える効果的な方法やメルトダウンの対応などなど、支援校の先生方からしたら、相当知識も経験もありません。

だったら「勉強してください!」と思うかもしれませんが、
支援教育がメインではない高校の教師の多くは、
高校としての教育にかかる生徒指導や学習指導の勉強、部活動の指導などで、いっぱいいっぱいだったりします。
なんとかしなきゃという思いはあれど、現実が追いつきません。

不登校や要支援の子が10人以上いるクラスを担任した時、帰宅時間は日付が変わっていることも日常茶飯事でした。
支援校に比べると1クラスの人数自体も多いので…仕事が終わりませんでした。
本気で過労死するかと思いました。
そうまでしても、支援校で受けられる支援と同程度の支援と、普通高校ならではの学びの両方を完璧にプロデュースするのは無理でした。

また、卒業後、社会に出る上での支援を考えるなら、診断だけでは足りず、手帳取得が必要だったり、なんだか世の中は複雑です。

そういったことについては、絶対に支援校の方が詳しいと思われます。

そんな現実も、受け止めてもらえたらなぁと思って、書いています。

普通高校を選択する時、必ずしも全ての希望が叶うとは言い切れない現実を、理解した上で選んで欲しいと思っています。

そうでなければ、当の本人が、ただ辛い日々を送ることになってしまうので…。