どういうわけか。

子供の頃には

大人には

見えない

感じたりしない

そういったものが

見えたり

感じたりする

わたしも

その類いの子供であった。

小学一年の時。

同級生の女の子が

「今日遊びに来ない?」

というので

わたしは家に帰って

おばあちゃんにその旨を話した。

おばあちゃんは

わたしにクッキーを持たせた。

お友達と一緒に食べてね。

おばあちゃんはそう言った。

友達の家は

ひどく遠かった。

記憶は定かではないが、

陸橋を二回ほど上がったような気がする。

陸橋の左右では激しく車が往来していた。

わたしの住む町は、比較的のどかな住宅街。

そのギャップに

ひどく驚いたというより、

恐怖の方が強く感じられ、

ここは全くの異次元の世界なのではないか?

と、子供心にそんなことを思っていたりした。

当時、四次元というワードが

大人の会話でよく出ていたりした。

あと、神隠しというワードも。


友達の家に着きました。

ピンポーン🎵

友達はすぐに出てきてくれました。

友達の顔を見ると、来る途中の不安は、

嘘のように消えました。

わたしは早速おばあちゃんから渡された

クッキーの箱を友達に差し出しました。

すると友達は何も言わず、

その辺にポイとクッキーを放り投げました。

えっ?

わたしはちょっと違和感を覚えました。

友達は、わたしを手招きしました。

こっちこっち。

付いていくと…

みてー。

ベランダに鳥かごが置いてありました。

青っぽいセキセイインコが一匹見えました。

驚いたのは、インコの元気のなさです。

友達は、

インコにエサをあげていないと言っていました。

エサはママがあげてるから自分はあげられない。

そんなことも言っていました。

そしてすぐまた、こっちこっちと。

友達は手招きをしてわたしを呼びます。

とにかく落ち着きがない。

付いていくと

そこには仏壇がありました。

小さな巾着袋もありました。

友達は、巾着袋を指差して、

「妹」って言いました。

え?あっ?

わたしが感想をいうが早いか、

またすぐにわたしは手招きで次の場所に。

和室の押し入れの前に立ち、

友達は押し入れを指差し言いました。

「ここにはおばあちゃんが入ってるの」……

その後トランプを一回だけして、

もうすぐママが帰ってくるからと、

わたしは、

追い出されるように家から出されて、

猛ダッシュで家に帰りました。

内心、早くに出されてホッとしました。

わたしなりの総まとめをしてみました。

友達の虚言。だが、あながち嘘ではない。

巾着袋には妹の骨壺が入っている。

インコはたぶんネグレクトをうけている。

押し入れのおばあちゃん……わからない…

こわ~いぃぃぃ~!!!

結局、わたしには恐怖しか残りませんでしたガーン

そしていま考えると、

あれは彼女なりの家族紹介だったのでは?

と、わたしなりに思うようにしている。

そして。わたしはあの時見た何かを。

四十年以上経った今でも。

見ていないこととして、

風化しようとしているのだった。


模型のような交通道路
通るたび毎回思う
工事
いつ終わる?


活字中毒(katsuji-junkie)わたぼうでした!
では
また来る日まで
ばいばいー✋飛び出すハート飛び出すハートキューンキューン