SNSでもテレビでも、最近は画面越しに青い景色をよく見かける。ネモフィラである。
僕が初めてその存在を知ったのは、幾年か前のことである。
その当時から現在に至るまで、僕がその青い花に対して抱く印象は変わらない。霊的な何か。
もちろん、ネモフィラ達には何の罪もない。花言葉は「可憐」、「どこでも成功」らしい。前向きな花である。
そんな “ 青い絨毯 ” は、空との境界線を曖昧にする。
何となく輪郭のぼやけた世界に、おそらく、僕は霊的印象を受けたのだろう。
何度も言うが、花やその土地に罪はない。
似たような感覚を覚える花に、僕はユリを挙げたい。が、しかし。これは本当に人を殺める力を有しているから厄介である。
人間というのは、弱い生き物だ。
どこまでも続く青色にその身を投じ、委ねる。
他の動物たちとは違って文明を手に入れてしまったがために、争いを覚えた。その愚かさたるや。
* * *
時には、決別してしまいたい過去もあるだろう。ふとした拍子に思い出し、当時の自分を呪いたくもなる。
それでも僕たちは、呼吸をしなければならない。
天上に煌めく青色は、数億年前からきっと変わらない。
一方で大地に敷かれた青色は、一年前のそれとは違う。
変わるものもあれば、変わらないものもあるのだと。