【読書日記】エネルギーから世界は変わっていく?!-「「5年後の世界経済」入門」 | ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~

【読書日記】エネルギーから世界は変わっていく?!-「「5年後の世界経済」入門」

おはようございます。
本日の1冊はコチラ↓


トップリーダーが学んでいる「5年後の世界経済」入門 中原圭介 日本実業出版社


アベノミクスで日本はどうなる?
と、今年も騒がれています。

昨年は明るい話題も多く、
株価も不動産価格も上昇し、
為替も円安になりました。

しかし、まだまだ実体経済に反映
されているという実感は、
少ないのではないでしょうか。

この先の経済はどうなるのか。
気になる方はぜひ本書が参考に
なるかと思います。

手軽に読めるのですが、
これ1冊で今の世界状況を把握し、
今後どのような情報に注目して
いけばいいかがわかります。

ずばり、今後注目すべきテーマは
「シェール革命」です。
本書の軸もここに置かれています。

特に、シェール革命で恩恵を受ける
アメリカに注目しています。

『今、アメリカ南部で何が起こっているのか、ご存じですか? それは、製造業における「国内回帰」の動きです。これまで中国をはじめとする新興国に工場進出していたアメリカ企業が、アメリカ南部に工場を戻してきているのです。(中略)2013年8月のボストンコンサルティンググループの調査では、アメリカ南部の生産コストは、主要先進国の中で最低水準にあるとしています。また、2015年には、中国沿岸部とアメリカ南部の賃金も同程度になるといわれています。安いエネルギーコストと人件費に加え、世界最大の消費地に近いというメリットを考えると、今後、世界中の企業が生産拠点を中国からアメリカ南部へシフトしていくと思われます。』(P15)

先日、あるニュースソースで、
アメリカのシェールガスに対する
懸念を示す記事が書かれていました。

注目が集まり、需要もあるため、
新規参入企業が増えている。
このため、競争と生産増によって、
価格が下落している。
結果、倒産する企業も出てきている。

というような内容だと記憶しています。

シェールガスやオイルは、
バブルとなるのか。
それとも今後の経済に大きな
影響を与えていくのか。

世界的な流れからいうと、
シェールガスならびにオイルは、
今後の世界を変えていく存在に
なるとみられているようです。

『国際エネルギー機関の2012年の予測によれば、「アメリカは、2015年までには天然ガスの産出量で世界一に、2017年までには原油の産出量で世界一になる」という見通しでした。しかし、アメリカのシェールオイルの生産量があまりにも急増しているので、国際エネルギー機関の2013年の予測では、「アメリカが2015年までに原油産出量でサウジアラビアを抜いて世界一になる」と、前年の見通しから2年前倒しされました。(中略)今までエネルギーを大量に輸入していた大国が、輸入量を少しずつ減らしていき、将来的には自給自足でまかなえるようになってくるのです。要するにアメリカの海外に対する原油の需要が減って、その分の供給が増えるわけです。これで、世界のエネルギー事情が激変すると考えられます。』(P49)

これは、言い換えると、
天然ガスや石油と競合する
分野すべてに影響を与えて
いくこととなります。

例えば、原子力発電所は、
まだまだ世界中で建設中だったり、
建設予定のものが多くあります。

一方で、火力発電所のニーズも、
増えているそうです。
原子力発電の維持コストを考えると、
火力のほうが安く電力を提供できる
と考えられているためです。

そのくらい、燃料に対する考えが
変わるほどにシェール革命が影響を
与えている証拠だと思います。

また、一時期もてはやされていた
バイオエタノールに関しても、
著者は否定的な見方をしています。

『バイオエタノールが価格競争力を失えば、その原料となるトウモロコシやサトウキビの需要が大幅に減少します。その結果、長期的にトウモロコシなどは供給過剰となり、価格は下落の一途をたどるようになるはずです。アメリカでは、トウモロコシは一般的に飼料用の作物です。そのトウモロコシ価格が下がれば、鶏、豚、牛など食肉の価格も下がっていきます。さらにトウモロコシ価格の下落は、アメリカの農家がトウモロコシから大豆や小麦の生産に切り替える要因にもなりえます。そうなれば、大豆や小麦の供給量が増加することになり、それらの価格も下落していきます。』(P57)

ただし、作物を原料としているので、
燃料とならずに食糧問題の解決に
寄与してくれると見ています。

燃料や電力の価格が下がると、
食糧の生産コストも下がります。
これによって、私たちの生活も、
恩恵を受けることになります。

一方、少し前にもてはやされた
電気自動車は、世界的な主流には
ならないと著者は見ています。

代わって、まだ価格が高いため、
一般に使われていない燃料電池車が
ハイブリット車と合わせて主流に
なっていくと見ています。

『また、燃料電池車は水素を燃料として動きますが、この水素を用いるという点が一つのミソとなります。石油の元売り企業にとっても、水素は利益を出せるエネルギーになるからです。石油を精製する際に水素は自然発生するので、新たにコストをかけることなく、企業は水素を取り出すことができるのです。つまり、石油の元売り企業にとっては、石油も水素も決して競合しない燃料になります。したがって、ガソリンスタンドと水素スタンドは、一緒に作ることもできるのです。』(P71)

確かに、電気自動車は、
電池の規格も統一されず、
電池スタンドもできていない
という状況ですよね。

また、アメリカのような大陸国は、
片道数百kmを走ることもザラで、
今の電気自動車だと郊外のニーズを
満たすことができないそうです。

逆に、問題がクリアされるか、
分野の棲み分けができれば、
電気自動車も生き残れるのかも
しれないと思いました。

ただ、これらの前提としては、
さまざまな価格の下落があること
を見逃してはいけません。

その発端となるのが、
エネルギーの価格であり、
牽引するのがシェール革命だと
いうことです。

『その一方で、株価はこれまでのように上がらなくなるでしょう。前述したように、量的緩和の縮小が行われるわけですから、株価にとっては明らかにマイナス要因です。ただ、「株価上昇=好景気」という図式は、エネルギー革命が進む中では、もはや過去のものと考えたほうがよいでしょう。おそらく、長い目で見れば株価が下落しても、エネルギー価格の下落によって物価全体が下落し、国民の生活レベルを下支えするという流れが当たり前になっていきます。』(P133)

今は、インフレ経済が前提と
なっています。
なので、アベノミクスでも、
物価上昇が目指されています。

しかし、日本経済は、
長期のデフレ経済によって、
物価が下落しました。

収入も減りましたが、
生活のレベルは大きく下がらな
かったのはデフレだったからです。

今後は、今まで高すぎたものが、
下落して行くことによるデフレ、
という新しい状況が生まれるかも
しれないという見通しは面白く、
また、そうなるといいと思いました。

中長期的な経済の潮流を知りたい方。
ぜひチェックしてみてくださいね!









1日1クリック応援お願いします☆

皆さんの応援でランキングが上がります!!!

ぜひ当ブログを人気ブログにするために1票いただけるとうれしいです♪





トップリーダーが学んでいる 「5年後の世界経済」入門 いま知っておくべきこと、やるべきこと