【読書日記】幸せって、何ですか?元気です。-「カカシの夏休み」 | ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~

【読書日記】幸せって、何ですか?元気です。-「カカシの夏休み」

おはようございます。

本日の1冊はコチラ↓



「カカシの夏休み」 重松清 文春文庫



あなたは帰りたいと思う場所がありますか?

もし、その帰りたい場所がなくなってしまったら?

竹馬の友が、バラバラになってしまったら・・・


この本は、思わずノスタルジーに浸ってしまう本です。



小学校で教師をしている30代半ばの主人公コンタ。

彼は、授業中にふと「帰りたい」と思った。

その帰りたいと思う故郷は、もうない。

中学生の頃、ダムの底に沈んだのだ。


そんなとき、ある事件が起きた。

タクシー運転手の交通事故。

亡くなった運転手は、旧友だった。

事件をきっかけに、かつての友人が集まる。


皆いい年齢になっていた。

昔の面影はないけど、どこか変わっていない・・・

その中の1人が、ダムに飲まれる前の故郷の写真を撮っていた。

しかも写真をホームページへアップしていた。


昔の写真を見ていると、妙にノスタルジーな気持ちが生まれてくる。

それに拍車を掛けたのが、雨の少ない空梅雨。

ダムの水は、どんどん減っていく。

もしかしたら、故郷が顔を出すかもしれない。


期待と不安を覗かせながら、友人の遺骨と共に故郷へ。

そこで何か見つかるのだろうか??



この本の中では、ちょっとした言葉の違いに共感させられます。


こんな場面があります。


「『わからない』と『かわらない』、『わかりたくない』と『かわりたくない』

がびっくりするほどよく似ていることに気付いて、なるほどな、

と一人でうなずいた。」


時間が経つと、自分が昔に比べて変わったのかどうか分からなくなる。

そんなことはありませんか?

自分は変わったのか、変わってないのか分からない。

自分が変わったのかどうか、分かりたくない。

やっぱり似ている・・・


もう1つ引用です。


「『会える』と『会う』は、似ているようで違う。」


よくよく考えると、自分が今まで会ってきた人の多くは、

会おうと思えば会えるはず。

だからと言って、実際に会う人というのは決まってくる。

会える人だから、会うというわけではない。


これらはちょっとした違いですが、その違いが大きな差を生みます。



最後に、もう1つの言葉の使い方でいいな、と思った場所を紹介します。


初恋の人に再会し、初めて送ったメールの一言。


「きみは、いま、幸せに暮らしているのでしょうか?」


その答えは、こんな一言。


「幸せって、何ですか?」


故郷に帰る前、彼女からの質問の答え。

たった一言「元気です。」


幸せで元気な人がいる。

幸せだけど、元気じゃない人がいる。

幸せじゃないけど、元気な人がいる。

幸せじゃないし、元気でもない人がいる。


だから私は「元気です」の一言。

それでいいじゃないか!


幸せかどうかは、自分が決めること。

元気かどうかも、自分が決めること。


自分が幸せかどうかなんて、普段は分からない。

『わからない』と『かわらない』は似ている。

だったら、今が元気ならいいのかも。

無理に変わる必要なんてない。



この本は、また何年か経ったら読みたいなって思いました。

今の自分だから、こういう読み方をしたのであって、

もし30代になったらどういう感想を持つのだろう・・・

ノスタルジーに浸ってしまうかもしれませんね。






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