スポーツメンタルコーチの杉村康之です。
7月の京都は祇園祭の季節です。
祇園祭は1ヶ月間に渡り様々な行事が
行われます。
この時期、街を歩くと祇園祭の
お囃子の響きを耳にして、心がワクワクします。
私は京都出身ではないのですが、
京都に住み始めたのが15年位前の
7月でした。
また当時住んだ家が祇園祭で山鉾が巡行する
四条通の近くでした。
なので、京都に住み始めに出会った
祇園祭の印象が強く、この季節になると
胸が高まります。
このワクワク感って何なのでしょうね。
お囃子による「聴覚」や気温・湿度
などの「皮膚感覚」が、心のモードに
スイッチを入れるのでしょう。
言い換えると心の認知がワクワク状態を
作り出したとも言えます。
この「認知」って大袈裟かも知れないですが、
生きるうえでの注目ポイントだと思います。
うえの例で言うと、「夏は暑くて湿度が高い」という
元々あるネガティブなイメージに対し、「祇園祭」を思い出す
ことで「夏はワクワクする」というポジティブなイメージを作り出しています。
(場面により、このポジティブ・ネガティブの感じ方の割合は変化しますが)
メンタルコーチにとって「認知」は
注目ポイントです。
先週、とあるスポーツの中学生の選手に
コーチングセッションを実施致しました。
彼は最近の試合や練習中に頻繁とあるプレーを
ミスしてしまい、ミスを修正できないという悩み
を抱えてコーチングセッションを受けました。
よくよく聞いていくと、そのプレーは
以前は得意だったものだそうです。
話を詳細に聞いていくと、
試合や練習でミスが修正できないのには、
色々な要因がありました。
その中で大きかったのは
「自分はミスが続くと修正できないと思っている」
という認知でした。
「ミスが続くと修正できない」
これが世の中の不変の真理ではありません。
当然彼も分かっています。
しかしひとたび
「自分は」
がアタマについた時、
それを強固に信じてしまうことがあります。
俗に言う「思い込み」です。
「○○だと○○になる」
という思い込みは自分の中だけでは
なかなか客観的に
「思い込みだよ、事実ではないよね」
と認識できないものです。
スポーツ選手でも同じです。
選手がこの思い込みに気づき、
以前より柔軟な気持ちで安心して
スポーツに向かうお手伝いをするのが
我々メンタルコーチの役割です。
この選手とはオンラインで
コーチングセッションを
行いました。
セッション中、自分の質問に対して
彼はとても素直にかつ真剣に自分と向き合って
自分の思うところを話してくれました。
そして、このコーチングセッションを通じて
ミスに対する認知の課題が解消できたようです。
セッション終了時には中学生らしい
キラキラとした晴れやかな表情を
していました。
このセッションを実施した3日後に、
選手のお母さまから
「練習試合で6試合中5試合に勝利しました。
息子はセッションやって良かったと言ってます」
という感想をいただきました。
めっちゃ嬉しいですね。
彼がこの競技が更に好きになって、より楽しく競技生活を
送ってくれることが自分の願いです。
更にいつも選手に言うことですが、
人には「スポーツ用の心」というものはなく
心はひとつです。
なので今回の例で言うと彼の「気づき」
・思い込みは変えることができる
・思い込みを変えると結果につながる
は人生の様々な場面でずっと活用できます。
今回のセッションで得た「気づき」が彼の今後の
人生をより明るくすることにつながれば良いな、
と願っています。
お母さまからの報告を聞いた後、
そんなことを鴨川べり歩きながら考えました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
スポーツメンタルコーチ 杉村康之