パソコンの下部に「イタリア」が出て来たので,

イタリアの動物事情について書きます。

動物党の存在,②動物実験の廃止,③動物園の閉鎖

動物遺棄の4点についてです。

 

 

①イタリアにも動物党がある

 

 

イタリア「にも」と書いたのは,

実は世界には「動物党」がたくさんあって

実際に議員を輩出しているのです!

日本だけです,遅れているのは。)

日本の「アニマリズム党」さんの記事から引用します。

 

2006 イタリア イタリア アニマリスト党|PAI

 

概説

イタリアにある、

動物擁護を主張する8つの政治団体のうち、

初めて設立された党です。

党の主な目的は、

動物解放と気候変動対策。

これまで地方議員1名を輩出しています。
Animal Politics EUメンバー。

 

基本情報

 

党名
PAI(略称)
Partito Animalista Italiano(イタリア語名称)
Italian Animalist Party(英語名称)
イタリア アニマリスト(日本語名称(仮))

 

設立年月日 2006年7月4日
 

設立者 クリスティアーノ・チェリエッロ(Cristiano Cerieello)

 

本部所在地

Via Diaz, 138 – 80047 San Giuseppe Vesuviano (NAPOLI)

 

シンボル

 

 

組織

代表 クリスティアーノ・セリエッロ
執行役員
諮問委員
地域サークル
地域・選挙担当臨時委員

 

役職
倫理委員会顧問、メンバーシップマネージャー、広報担当者、

コミュニケーション、野良動物対策諸島委員会評議員、

機会均等委員会評議員、領土・環境委員会評議員、

法務分野アドバイザー、獣医健康アドバイザー、カルチャーアドバイザー

 

 

議員

地方議会 1名

カンパニア州 ステファノ・ブオーノ(Stefano Buono)

 

綱領

協会および政治運動の国内規約(引用)

 

第2条 – 組織と目的
「イタリア アニマリスト党」は、環境保護、動物の権利の擁護

生物種の搾取、暴力、虐待に反対する文化と理想に基づき設立された

動物愛護と環境保護主義の政治運動であり、

国家は生物種と動物の生命権と尊厳を守るのと同様に、

環境と景観を守らなければならないと確信している。

「イタリア アニマリスト党」は、

地域的・地方的なグループやセクションで構成され、

連合的・自律的な精神に基づいた明確な組織を持つ国民運動である。

自治政党としての性質上、

支持者や党員は同時に他の政党に参加することができる。

 

政策

イタリア アニマリスト党の政策は、

9つのカテゴリーで構成されています。

 

動物
最終目標は、

動物に対するあらゆる形態の残虐行為を根絶すること。

これは動物省を創設し、

動物権利プログラムに記載されている

一連の措置全体を承認することによって行われる。

動物の法的地位の向上

集約畜産の廃止

動物の長距離輸送の廃止

漁業の乱獲の廃止

宗教的、文化的残虐行為の廃止

違法な動物密売を阻止

狩猟の全面廃止

毛皮の生産と輸入の禁止

動物を使用しない代替実験

・野良動物の終焉

 

環境

培養肉への投資

集約畜産の廃止

・電子機器廃棄物のリサイクル

・海面上昇の阻止

・廃プラスチックの燃料化

・植物製品にかかる税金を0円に

・環境犯罪に対する罰則の強化

 

人権
イタリア アニマリスト党が、

動物の権利」と表現するときには「人権」を含んでいる

 

エネルギー
クリーンエネルギーを政治的に推進する

 

経済
国民の富と自由時間を増やすため、

オートメーションとロボット工学の発展を完全雇用と組み合わせる

 

ヨーロッパ

・グリーンニューディールの推進

・ユーロの民主化:ユーロバンコールの導入

・財政的拘束力のある債券:ユーロ圏諸国による公的債務義務を創設

・ロビーレジスターを必須にする:

  欧州当局者とロビイストとの会議を

  議事録を通じて公開しなければならない

 

移民
2050年までに10億人になると予想されている気候変動移民に対し

具体的な解決策を提示し、

移住が必須ではなく自発的な選択となるようにする。

 

教育
何を考えるかではなく、

どのように考えるかを教える。

 

健康管理
劣化した公的医療を改革する。

 

沿革

2006
クリスティアーノ・チェリエッロ(弁護士映画活動家)が設立

2019
Animal Politics EU (APUE)の設立に参加
欧州議会選挙 (議席獲得無|得票数160,270|得票率0.6%|

 候補者クリスティアーノ・チェリエッロ)

2020
地方選挙 ヴァルドスタン(議席獲得無|得票数1,084|得票率1.6%)
地方選挙 プーリア(議席獲得無|得票数5,573 |得票率0.3%)
地方選挙 カンパニア(1議席獲得|得票数33,681|得票率1.4%)

2022
下院選挙 (議席獲得無|得票数21,442|得票率0.08%)
上院選挙 (議席獲得無|得票数16,957|得票率0.06%)

 

備考

 

イタリアの他の動物党

イタリアには動物擁護を行う政党が8団体ある
*設立順。8党のうち2党は不明。

 

2006
*「イタリア アニマリスト党」と「ヨーロッパ アニマリスト党」は、

 別組織。
Partito Animalista Italiano(イタリア語名称)
Italian Animalist Party(英語名称)
イタリア アニマリスト党(日本語名称(仮))

Partito Animalista Europeo(イタリア語名称)
ヨーロッパ アニマリスト党(日本語名称(仮))
 

2017
Movimento Animalista(イタリア語名称)
Animalist Movement(英語名称)
アニマリスト運動(日本語名称(仮))
 

2019(?)
Rivoluzione Ecologista Animalista(イタリア語名称)
動物主義者生態学者革命(日本語名称(仮))
 

2021
Europa Verde(イタリア語名称)
緑のヨーロッパ(日本語名称(仮))
 

不明
ORA:Movimento Politico Ora Rispetto Per Tutti gli Animali

(イタリア語名称)
政治運動 すべての動物のために祈りましょう(日本語名称(仮))

 

 

3頭のマカクザルがヴェローナ大学の研究室から解放

 

 

2021年10月26日のJAVAからの情報です。

 

 

モデナ大学

パドヴァ大学に続き、

ヴェローナ大学もサルの実験を永久に放棄することを決定した。

このすばらしい結果は、

関係各機関や学術界によってもたらされた。

特に、

2020年2月に自治体とヴェローナ大学が、

研究室で飼育されているマカクザルの全コロニーの解放を定めた合意書に

署名したことが大きく貢献した。

2021年6月4日、

関係者間の合意により、

LAV動物を生涯にわたって世話をすることができる

最も適切な団体として選択された。

それにより、

実験室のケージの扉がついに開かれ、

囚われていた3頭のマカクザルは

センプロニアーノのレスキューセンターに移された

そこで、

獣医師や霊長類専門のスタッフによる

リハビリテーション・プロジェクトを受けることになる。

このプロジェクトには、

すでにモデナ大学とパドヴァ大学から移された約50頭のマカクザルと、イタリア国立衛生研究所からの9頭の霊長類が含まれている。

3頭のマカクザルが飼育されることになっている

センプロニアーノセンターにはLAVが用意した巨大なシェルターがあり、

彼らは自由に生活し遊ぶことができる

また、

霊長類学者が彼らの世話をしリハビリの指導をする。

すでに行われているリハビリテーション・プロジェクトの重要性や

その科学的成果は、

ボローニャ大学の獣医学部門との共同研究による論文“Evaluation of an enrichment program for a colony of long-tailed macaques

 (Macaca fascicularis) in a rescue center”として、

国際学術誌 Primates に掲載され評価されている。

 

 

 

③ミラノでは動物園が無くなった

 

 

2021年4月時点の情報です。

 

多くのイタリア人は動物を家族の一員として本当に可愛がっているそうです。

イタリアではアパートでも犬が飼えるので、

猫や小さな犬だけでなく、

結構大きな犬を飼っている人もたくさんいるそうです。

 

しかし残念ながら、

一部、

ヴァカンス前に犬を捨ててしまう人もいるのですが、

それに対して、

毎年政府も夏になると「動物を捨てないように」と

TVなどで放送しているそうです。

イタリアでは犬などを捨てることは犯罪になります。

 

(※これについては④で後述します。)

 

また、

イタリア人の中には

動物園の狭い檻の中で動物を飼うことを嫌っている人が結構多いそうです。

あまり環境の良くない場所で動物を飼うことを嫌っている人が多いようですね。

 

以前、

ミラノには動物園がありました

ファッションブティックのたくさん集まった

ヴィア・デッラ・スピーガ通りからそれほど遠くない、

ポルタ・ヴェネツィアにある

インドロ・モンタネッリ公園が昔は動物園だったそうです。

 

↑以前動物園のあったインドロ・モンタネッリ公園

 

1960年代にはそれほど大きくない公園(2ヘクタール未満)の広さの中に

500人以上の動物が収容されていたそうです。

かなり狭い場所に動物たちが閉じ込められていたことと、

イタリア人も80年代に動物に対する感受性が変わってきたこととで、

ミラノの動物園は多くの報道機関から非難され、

ついに1992年に閉鎖させられることになったのです!

 

イタリア人の動物への接し方を見ると、

自然と動物はなるべく自然の中にいるほうが良いのでは、

と思う人が多いようですね。

 

 

バカンス夏季に急増する動物の遺棄

 

 

2020年8月の段階での情報です。

 

イタリアでは毎年数十万の犬や猫が路上

公共および私設の避難所に捨てられているそうです。

そのうち約60%が6~8月に集中しています。

夏の長期バカンスに出かけるこの時期になると、

飼っているペットもバカンスに連れていくことができない、

ペットの面倒を見てくれる人がいない、

ペットホテルに預けるお金がもったいない、

同伴可のホテルや宿泊施設が見つからないからなど、

様々な人間のエゴで、

動物たちを高速道路や山道や森に捨てる人たちがいるそうです。

 

さらに、

新型コロナウイルスに起因する経済危機により、

飼っていたペットを管理することができなくなった家族の数も増えたそう。

2020年8月には、

ローマのサンバジリオ地区のゴミ箱近くのゴミ袋に

老犬が捨てられていたというニュースがあったそうです。

また同じ8月にローマでは,

灼熱の太陽の下、

街灯柱に縛り付けられ子犬が捨てられていたそうです。

マイクロチップは付いていなかったそうで,

保護した警察官がその後この子犬を引き取り飼うことにしたといいます。

 

 

 

 

以上です。

 

 

 

イタリアの動物に対しての接し方は,

①から③にかけては実に素晴らしいと思いましたが,

やはり④のような残酷な一面もあるのですね。

 

 

 

日本はイタリアの良い所をすぐにでも採り入れて,

動物愛護国としてまずはアジアだけでも牽引してほしいものですが,

それはいったいいつの日になることやら…。

 

 

 

まぁ,

我々動物解放活動家としては,

唯一動物たちのためだけに,

諦めず続けていくしかありませんがね。

 

 

 

本日も最後までお読み頂き,

ありがとうございました。