今日は「国際ピザの日」なので,

「世界一可哀想なホッキョクグマ・ピザ」の悲惨な状況をお伝えします。

2019年の情報なので最新の情報をお持ちの方は是非コメント下さい。

 

 

ピザとは,

2016年7月に中国・広州にあるショッピングモール

「正佳広場」内のにある動物園「極地海洋世界」に監禁されていて
「世界一かわいそうなシロクマ」として世界中の注目を集めた女性のことです。

 

「極地海洋世界」は他の動物たちにとっても地獄です。

 

この「世界一かわいそうなシロクマ」を世界中に広めるきっかけになったのが,

中国で動物保護活動をしている「アニマルズアジア」です。

(すぐ上の写真の右下にもその文字が見て取れます。)

 

 

アニマルズアジアは中国での動物達の扱いを変えることのできる希望の存在で,

あの熊胆で苦しむ熊たちを救う活動でも有名です。
囚われの身となっているクマたちにとっては正に希望の存在でしょう。

 

 

2016年に、

中国で動物福祉について取り上げられること自体が非常に珍しいことで,
ピザの苦しみを訴えるその姿は世界中を震撼させました

 

 

ピザについて日本語で知ることのできる情報は,

「街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum

(urspolar.exblog.jp)というタイトルの,

polarbearmaniacさんによる2018年6月11日の投稿になります。

 

以下,

重要箇所の部分引用です。

(※齟齬がないように改変してある部分もあります。)

 

 

2016年に中国・広東省の広州市のショッピングモールにある

「広州正佳極地海洋世界 (广州市正佳极地海洋世界 - Guangzhou Grandview Polar Ocean World)」の水族館で飼育されていた

当時三歳の女性のハイブリッドのホッキョクグマ

「皮扎/皮萨 (Pizza)」の飼育環境が劣悪であったことから

この皮扎 (Pizza)を「世界で最も悲しいホッキョクグマ」と呼んで

彼女が飼育されている水族館の閉鎖を求めて

ネット上で署名活動が行われたということがありました。

 

 

さて、

ナショナル・ジオグラフィック (National Geographic) 誌の

5月11日付記事 ("Nearly Two Years Later,

World’s Saddest Polar Bear’ No Longer Sad?") にて、

この皮扎 (Pizza) の2018年の様子について

取材した投稿を掲載していますので、

その内容を簡単にご紹介しておくことにします。

 

 

2016年の大きなキャンペーンによって批判を浴びた

広州正佳極地海洋世界は数カ月後にその飼育展示場を閉鎖して

皮扎 (Pizza)を天津市の天津海昌極地海洋世界

(Tianjin Haichang Polar Ocean World) に移動させました。

そこは皮扎 (Pizza)の生まれ故郷です。

そして彼女は自分の母親とそこの飼育展示場で同居を始め、

そして2018年の時点まではそこで暮らしていたそうです。

2018年の4月にアメリカの保護活動家の方が実際に

天津市のこの天津海昌極地海洋世界を訪問して

皮扎 (Pizza) の元気な姿を確認しており、

その際に映像も撮影したようです。

以下にその映像の一部をご紹介しておきます。

2016年の広州市での画像と,

2018年の天津市での画像で,

皮扎 (Pizza) が母親と共にいる姿が映っています。

 


 

その活動家の方など複数の観察によりますと

皮扎 (Pizza)は2016年と比較すると

ずっと幸福そうに見えストレスも感じていない様子に見えたそうです。

また、

常同行動も影を潜めていて以前と比較すると桁違いに良い状態

 ("a million times better") にあったということだそうです。

以前の施設との比較では、

以前はガラス越しに来園者の近くにいて

カメラのフラッシュなどを浴びていたものの

現在の場所では来園者とはやや距離があり、

そして来園者の喧騒はずっと少なかったそうです。

展示時間も以前の施設では夜まであったものの

現在の施設では昼間の時間帯だけだそうで、

さらに現在の飼育展示場は

皮扎 (Pizza)が自分の姿を隠す場所もあったということだそうです。

勿論現在の場所は屋外の場所に出られないという点では

理想的な飼育環境とは言い難く、

やはり中国の施設ではホッキョクグマの飼育には適した場所はない

ということも語っています。

そもそも中国には飼育下の動物たちの福祉を定めた法律はないそうです。

ショッピングモールなどの商業施設の一部に

動物たちが展示されていることについては、

そういった商業目的の施設には

動物たちを展示することに教育的な目的といった観点が欠けている点も

大いに問題があるとも述べています。

 

皮扎 (Pizza - 右) と、その母親とされる女性(左) 


さて、

こういったナショナル・ジオグラフィック誌の記事の内容は

ともかくとして、

2018年の天津市の施設で皮扎 (Pizza)と同居していたのが

本当に彼女の(生物学上の)母親であったのかについては

完全な確証が無いままです。

この記事の中で実際に天津市のこの施設で皮扎 (Pizza)に会った方は

彼女のことを "he" で述べています

皮扎 (Pizza)は "he" ではなく "she" で受けるのが正しいわけです。

皮扎 (Pizza)がこうして母親と同居していたのは彼女がまさに

母親と同性であるから可能なことであったと考えれば、

やはり皮扎 (Pizza)と同居していたのは彼女の

(生物学上の)母親であったと考えて間違いではないようにも思います。

そして、

上の写真で見る限り皮扎 (Pizza)母親もやはり

ハイブリッドであった可能性が濃厚です。

ということは皮扎 (Pizza) の(生物学上の)父親

ハイブリッドではない通常のホッキョクグマであった

という可能性が強くなることを意味しています。

なかなか素晴らしい記事だと思いますが、

中国の施設はホッキョクグマの血統のようなことについては

質問しても一切答えないようです。

その他についてもインタビューを申し込んでも断られるようです。

現に本件についても活動家その他の方が

天津市の天津海昌極地海洋世界に取材を申し込んでも

断られたことを述べています。

中国国内のホッキョクグマの血統については数人は別にしても、

その他は非常に謎が多いのです。

解明は容易ではありません

 

 

上の記事では、

ピザのストレスが激減したように伝えられていますが、

それは現在には通用しません
その時とは状況がまた変わりました。

今もピザは苦しみ続けているに違いありません。
最初にピザの悲惨な姿が確認された

「極地海洋世界」での様子と何も変わっていないはずです。

 

 

アニマルズアジアの情報によると、
2018年5月にイギリスのヨークシャーワイルドパークに

ピザの保護依頼をしたそうです。
ヨークシャーワイルドパークは,
監禁施設には違いありませんが、

今ピザがいる環境に比べたら、

天国のような場所になるそうです。

 

しかし,

イギリスのヨークシャーワイルドパーク側が、

ピザを受け入れる意思がすでにあったのに対して,
それを水族館側が拒否して終わっていた状況だったそうです。
「天津海昌极地海洋世界」には、

シロクマはピザ1人しかいなかったので、

簡単に手放そうとしなかったのでしょう。
シロクマは一時3人いたそうですが、

その後2人がどこかへ送られてピザ1人になったそうです。

 

 

 

 

私たちはいったいどうしたらいいのでしょうか。

 

 

胸がつぶれる思いとはこのことですね。

 

 

もはや無力感しかありません。

 

 

 

今のこのちっぽけな私にできることは,

分かったことを発信することだけです。

それで何が変わるのかは分かりませんが,

知ってしまったら,

到底何もしないではいられません。

 

 

 

皆さんもこの可哀想なピザのために,

何がしかのご協力を,

宜しくお願いします。

 

 

 

本日2本目の投稿も最後までお読み頂き,

ありがとうございました。