私は動物のためのアンチナタリストです。

人間動物に対する残酷さを知るにつけ,

人間絶滅した方がよい」と

考えた人は多いのではないでしょうか。

 

ヴィーガンになってすぐ,

人間絶滅」を調べていて(笑),

倫理」という項目の中に,

次の文を見つけました。

何人かの哲学者たちは、

人類絶滅は悪い事にならないだろう、

むしろ良い事であると断言する。

 

いるじゃないの!

ちゃんとこんな人たちもいるんだ!

 

その代表格がデイヴィッド・ベネターなのですが,

大御所に辿り着く前に,

お2人ほど簡単に紹介します。

 

①ザプフェ(1899年 - 1990年)

人間は生物学的な逆理である。

意識が過剰に発達してしまったため

他の動物のように正常に機能しなくなっている

 

エミール・シオラン 

(1911年 - 1995年)

すべての無責任であり、

殺人犯である。

生殖はにのみ在るべきだ。

という言葉は好きではありませんが,

人間の方がよっぽどなので)

人間はダメで動物はいい

という所が好きです(笑)。

 

 

そして

③デイヴィッド・ベネター

なんですが,

なんと!

彼は顔出しNGなのです!

 

もちろん,

ケープタウン大学哲学科教授なので

知っている人は知っているでしょうが,

インタビュー等においても

私生活に関する質問は一切しないこと

いかなる名目でも彼の顔が公開されないようにすること

の2つを条件としているそうです。

 

それだけ

ヤバい(=真実を突いている!)

理論なのでしょうね!

 

それに関してベネターは次のように言っています。

私は自分の思想が異端であり、

一部の人たちを憤慨させていることに気づいています。

 

自分の生活について話せば、

多くの人が私を心理分析し、

私の思想をトラウマやら精神的不調やらのせいにしようとするでしょう。私が唯一目指しているのは、

私を批判するという近道をとらずに、

主張の妥当性を評価してもらうことなのです。

 

かっけぇぇぇぇ。

学者はこうでなくちゃなぁ。

名声が欲しくて,

自分の黒歴史私生活を切り売りする人が多いことを考えると,

これぞ純粋な学問の追究者だと思え,

益々彼の理論に信頼性が置けるようになりますよね!

 

と同時に

私自身もあまり暴露し過ぎないように

気を付けなくちゃな,

とも思えました(笑)!

 

そして

ベネターはもちろんヴィーガンです

 

以下に,

彼の素晴らしい理論の中のごくごく一部,

特に動物に言及した部分を引用します。

 

一般的に、

肉を食べる人たちから聞くことの一つに、

次のような議論があります。

我々が食べなければ、

食糧のために繁殖された動物たちは、

生きる機会を持てなかっただろう。

それゆえに、

私たちは人間食用のために彼らを生み出すことによって、

彼らに恩恵を与えているのだ。」

 

これはぞっとするような議論です。

より多くの人間繁殖することにより、

命の 恩恵を与え、

短い人生を苦しませた後に殺すことを

提案する人を想像してみてください。

この議論の根本的な欠陥は、

誰も、

存在することに関心がないということです。

 

多くの人間の生活は工場飼育される動物の生活ほど悪くはないですが、それでも誰もがかなりのを被るでしょう。

それを防ぐ唯一の方法は、

彼らを生み出さないことです。

その活動は、

生まれていない者にとっての損失がゼロなので、

人間以外の苦しむ動物を作ってはいけない

のと同じように、

苦しむ人間を作ることは止めるべきなのです。

 

私はまた、

人間強欲さ動物の生息地を侵略し、

多くの絶滅の危機に瀕するほど、

動物の個体数を減らしているということに同意します。

しかしながら、

私たちはこのことからプロナタリズム(出産奨励主義)

を導くことはできません。

 

動物の個体数を減らし

ゆえに苦しみを予防するという、

人間のその活動は、

現在および未来に存在する者たちに多くの

(致命的ではなくとも)有害な影響を与えます。

その利点は損失を上回ると自信を持って主張する人たちは、

他の(有感の)種が、

空いたニッチに出現したり、

急速に繁殖した場合には、

大量絶滅さえも苦痛を軽減しないということを

忘れてはならないでしょう。

今までに存在したすべてのの99.9%が絶滅したと推定されています。苦しみは終わっていません。

代わりに、

それは新しいで例示化されています。

これは、

すべての有感の生命体絶滅が起こらない

と言っているわけではありません。

私は単に、

これが人間の制御不能なプロナタリズムから生じるものだと、

当然のように考えてはならないと言っているのです。

 

「ナタリズム」(出生主義)の上に,

「プロナタリズム」(出産奨励主義)があるとは。

酷く暗い気持ちにさせられますし、

こんな人たちがいるのかと思うと,

余計に悲観主義が強化されてしまいますよね。

 

 

それでは最後に異色の1人を採り上げます。

 

④オメラス

 

 

本日発売の月刊『アフタヌーン』で連載されている,

ダーウィン事変』の主人公の弟です。

 

 

父グロスマンの動物実験の「失敗作」でした。

 

この「オメラス」は,

アーシュラ・K・ル=グウィンのSF小説

オメラスから歩み去る人々

から取られていると思われます。

この短編では、隔離され、虐げられ、

救うことができない一人の子供の苦しみにより、

住民の繁栄と都市の存続がもたらされる

ユートピア都市オメラスが描かれています。

大半の住民はこの状態を認めて暮らしていますが、

この状態を良しとしない者もおり

彼らはこの都市に住むことを嫌って

"オメラスから歩み去る"のです。

 

ブルーノ・コンテスタビーレ (Bruno Contestabile) は,

反出生主義者は、

そのような社会を受け入れず、

関与することを拒む

"オメラスから歩み去る人々"

と同一視できると述べました。

 

ヴィーガンがまさにそうですよね!

 

隔離され,虐げられ,

救うことができない多くの動物の苦しみにより,

住民の繁栄と都市の存続がもたらされる社会を受け入れず,

関与することを拒」みます

 

さらにここでもう一声。

 

6月に公開した映画『ウーマン・トーキング』

のキャッチコピーを皆さんに投げかけたいと思います。

 

(そういう社会を)

赦すか,

闘うか

それとも去るかー。

 

私は言わずもがなの2番目です。

 

皆さんは,どうですか?