地頭の良さが試験結果に直結するのは確かですが、勉強の成果には個人の取り組みやモチベーションが大きく影響することもあります。


例えば、私の妹のケースを考えてみましょう。妹は、複雑な家庭環境に育ちました。


平たく言えば、彼女は父親が違います。その父親は、一族に高卒しかいない家系から来た人物です。彼は真面目に働き続け、高卒のいとこも銀行に勤めているような環境です(銀行の高卒枠は商業高校から推薦されます)。


妹の知能指数は特別に高いわけではなく、偏差値50前後の中学に入学しましたが、医学部に現役合格しました。


医学部では非常に多くの苦労を経験しましたが、何とか卒業し、現在は立派な医師として活躍しています。


彼女によれば、勉強の過程で得られる達成感が非常に気持ち良く、その達成感がモチベーションになっていたとのことです。


子供の頃、怒られながらも勉強していた記憶がありますが、中学に入ってからは誰に言われるでもなく毎晩1時までコツコツ勉強していた姿が印象に残っています。


彼女は先取り学習にも熱心で、数学の問題に取り組む際もその集中力を発揮していました。


一般的に、数学のような科目では、頭の良さだけではなく、机に向かう努力が重要です。


達成感がモチベーションとなり、勉強が苦にならない状態、つまり「ZONE」に入ることで、学びが楽しくなるのです。


彼女は確かに、家族の中では一番「地頭が悪い」と言われていましたが、最も優れた学校に進学しました。


この経験から言えるのは、地頭が良いからといって、必ずしも「脳内麻薬」を感じられるわけではないということです。


地頭が良い人が自分を追い込むのが難しい場合もあります。逆に、地頭があまり良くないとされる人が、自分の限界に挑戦することで「脳内麻薬」を得ることができるかもしれません。


私自身も、Z会の課題に取り組む時だけが楽しかった経験がありました。このように、勉強に対する取り組み方、つまり限界をどう設定し、それをどう乗り越えるかが重要です。


限界が低いとされると、小さな成功体験を積み重ねることで達成感を得やすく、その結果として勉強が楽しく感じられることもあります。このようなアプローチは、特に数学のような科目において有効かもしれません。