1951年の作品。
武蔵野にある、亡き父の家に、秋山道子(田中絹代)は、夫である、秋山忠雄(森雅之)と住んでいる。
この家に、田中のいとこ、である大学生、宮地勉(片山明彦)が、下宿するようになる。
そして、やがて、田中と片山の2人は、強く惹かれあうようになる。
一方、夫の森は、近所に住む、田中の母の妹の子供である、大野英治(山村聡)の妻、富子(轟夕起子)と、W不倫しようとしていた。
ある日、村山貯水池に、散歩に出ていた、田中と片山は、キャスリーン台風に襲われ、
ホテルで、一夜を明かすことになるが、田中は、決して、体を許すことをしなかった。
田中への恋は叶わない、と諦めた片山は、武蔵野を出て、五反田のアパートに転居するが、田中への思いに苦しむ。
その頃、山村の事業が上手くいかなくなり、金策に奔走する中、山村は、田中に、救済してくれと頼る。
やがて、森と山村、両家の夫婦仲は、こじれていく。
森は、金銭問題と、双方の不貞を理由に、田中に、離婚を迫る。
しかし、田中は、返事をはぐらかす。
すると、森は、家の権利書を持ち出し、轟と、家出してしまう。
ところが、家を売って金をつくる算段はうまくいかず、それに、嫌気がさした、轟は、今度は、片山のアパートへ身を寄せる。
しかたなく、帰宅した森は、森に、家を売却させないためには、自分が死ぬしかない、
と考えて、服毒自殺をはかって、倒れている田中、を発見する。
結局、田中は、うわごとで、片山の名を呼びながら、絶命してしまう。
森は、涙を流して、「すまなかった」と、詫びるのだった、というお話。

愛のない、結婚生活を送る、2組の夫婦。
そこに、若くて、イケメンな、田中のいとこが、加わる。
田中と片山は、惹かれ合っているのに、結ばれることを、どうしても躊躇する、田中絹代。
思いが遂げられず、いらつく、片山明彦。
自分を、必死にものにしようとする、中年男、の森雅之よりも、やはり、若い、片山に惹かれる、轟夕起子。
やっぱり、女は、若くて、イケメンな男が、好きなんですね、って。

私自身を振り返ってみても、確かに、その通りだったな、って。
私には、年上のいとこが、たくさんいたが、その中の何人かは、
結構、チヤホヤ、してくれてたっけ、って。
本当の姉弟、ってわけじゃないもんだから、多少は、危うい感じの、スキンシップって、あったような、なかったような。