このテンポなら 好きなリズム&ブルース♪

履き慣れたこのボロボロボロ靴が〜♪


今日は軽い曲紹介のようなブログを書こうと思う。

皆さんは「ほうろう」という名作をもちろんご存知だと思う。

細野晴臣がプロデュースし、小坂忠が歌った曲たちが集まった世紀の名盤である。

忠さんの歌声には不思議な力がある。

やはり牧師である忠さんは、その昔から、人が持ち得ない特別なものを持っているに違いない。


忠さんが旅立った時、彼はクリスチャンなので、悲しみもあるけれど、みんなで明るく忠さんを送り出したことが印象的だった。

そんなことを思い出して、少し気持ちがあたたかくなった。


これは当時の松本隆さんのツイート

松本隆さんのトリビュートライブでのお話も、この前のラジオで話していたからぜひ聴いてほしい。

https://twitter.com/takashi_mtmt/status/1519969022032621568?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1519969022032621568%7Ctwgr%5E77f0a1bc62136958de29671af33432d2d55241b3%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Ftower.jp%2Farticle%2Fnews%2F2022%2F05%2F02%2Ftg009




ほうろう(2010version)

忠さんのパワフルかつ成熟したニューヴォーカルは、仲間たちもとても気に入っているそう。

オリジナルと、リテイクヴァージョン、ここまでそれぞれの魅力を持ち合わせたシンガーは存在しないと思う。



聴いただけで思わずステップを踏みたくなるような軽快な歌詞、あまりにカッコ良い曲力強くも軽やかな忠さんの歌声。

完璧なはっぴいえんどとほぼ同じ時代にこんなにも完成度の高い日本語ロックが確立されていたのかと思うと感慨深くなる。

それをプロデュースした細野晴臣という偉大な音楽家がいることも、改めて考えると尊いことに思える。

もちろん、それを美しく表現できたのは、忠さんのシンガーとしての魅力と才能があったから。

忠さんでなければ成立しなかったとさえ思える。

他にもしらけちまうぜという名曲を松本隆さんが作詞したり、演奏にはティンパンアレー、コーラスに山下達郎さん、大貫妙子さん、吉田美奈子さんが参加していたりと、日本ポップス界に欠かせない作品だということがわかる。

一流の演奏に、一流の楽曲、そして一流の、唯一無二の歌声、名作にならないわけがないのだ。


HORO(1975)小坂忠





そういば、小坂忠さんの夫人であり、プロデューサーの小坂叡華さんが細野さんのことを「オミちゃん」と呼んでいた。

オミちゃんと呼ばれて笑う細野さんの声が、なんだか子供に戻ったようで新鮮で微笑ましく思えた。


なにせ、大滝詠一、松本隆、坂本龍一、高橋幸宏などバンドメンバーや音楽仲間ですら「細野さん」呼びが確立されている絶対的細野さんのことを「オミちゃん」と穏やかな口調でまるで幼なじみのように口にする叡華さんのお話は、どこまでも貴重で輝きを放っていてみずみずしかった。

昨夜の「Daisy holiday」での一幕。

「愛してるって言う?オミちゃんは?」

「言えないなー笑笑」「勉強します」

夫婦は最後まで愛してると言い合っていたそうだ。

キザだけど。と前置きしながらも、微笑ましいエピソードだった。

親友の細野さんも、忠さんが旅立ってから一年以上が経ち、少しずつ想い出にすることができているのかな。

辛い別れが続く細野さんのことを思うと、胸が締め付けられらような気持ちになる。




今回、細野さんが小坂忠さんの遺した作品の中から選曲した2枚組のベストアルバムが発売された。

選曲を見ると、エイプリルフール時代のものや、70年代の初期3部作や、2001年に久々に細野さんがプロデュースを手がけた「people」まで非常に幅広く選曲されていて、友としての愛を感じた。



細野さんからのコメントは、苦しみを乗り越えながらも穏やかで、愛に溢れていた。








高橋幸宏さんのことを、まだ想い出のように話すことができない。

空いてしまった隙間には、いつも風が通り抜けてゆく。

それを音楽や想い出で埋めることが、いつかできるように。

そんな想いを馳せた初夏のある日だった。



梅雨が明けた。

夏も、案外長くないんだよね。

そう考えると寂しいかな。



最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさまも暑さには気をつけて、どうぞご自愛ください。