主に幼児の間で夏に流行する手足口病が例年よりも早く増加しています。県によっては警報レベルに達しているところもあります。

本来流行するのは夏ですから、これからまだ増える可能性があります。

 

以前にも書きましたが、手足口病の原因は何種類かあります。いずれもエンテロウイルス属のウイルスですが、コクサッキーA16とエンテロウイルス71、コクサッキーA10がよく知られていました。古典的な手足口病の症状はこれらのウイルスでみられます。

数年前からコクサッキーA6もみられるようになりましたが、こちらは症状が激しいことが知られています。

今年流行しているのはこのA6である可能性が指摘されているようです。手足以外にも臀部など広い範囲に水疱がみられることがあり、その場合水痘(みずぼうそう)との鑑別が必要になることもあります。

水痘の原因ウイルスの水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)については、抗原検査ができますから、心配な時は皮膚科で調べてもらうと良いでしょう。

 

感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染で、保育園などの集団生活で広がります。

発疹が出ている段階では感染力が低いので、登園禁止にはなりません。厚労省の「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018)でも、登園の目安は「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」ですから、登園は感染予防の観点ではなく本人の健康状態から判断します。

ただし、便などにはウイルスが長期間排泄されていることもありますから、手洗いなどの感染対策は重要です。

 

子供に多い病気ですが、親など大人に感染することもあります。

治療については、抗ウイルス薬のようなものはなく対症療法しかありません。無理をしないことが大事ですね。