”はしか”、麻疹の症例が国内で相次いでいます。

背景には海外での麻疹の流行があるようです。

 

かつて日本は”麻疹の輸出国”として改善を求められていました。

麻疹が撲滅された国に麻疹を持ち込んだケースがあったためです。

それを受けてわが国でも麻疹を撲滅すべく積極的なワクチン接種やサーベイランスの徹底などの努力がなされました。

その結果、日本における土着の麻疹ウイルス株であった遺伝子型D5の麻疹ウイルスは2010年5月を最後に国内での検出はなくなっています。

排除達成の認定基準を満たしたため、2015年3月にWHOにより日本が麻疹の排除状態にあると認定されました。

日本でも麻疹は撲滅されたわけです。

 

したがって、現在散発的にみられる麻疹の症例は海外から持ち込まれた株によるものです。

つまり、日本は”麻疹の輸入国”になったわけです。

 

麻疹は感染力が非常に強く、空気感染しますので注意が必要です。

また、成人になってから感染すると重篤になることがありますから、ワクチンがなかった時代は、”子供のうちに感染しておくべき疾患”としてわざわざうつりに行ったりしたこともあります。

麻疹ワクチンが定期接種になったのは1978年で、当時は1回接種でした。
その後、1回の接種だけでは十分な免疫がつかないために2006年からは2回接種となりました。

しっかりとワクチンを2回接種していればまず感染しませんが、ワクチンを1回しか接種していない場合は感染する可能性があります。

一般的に一回でもワクチン接種を受けていれば比較的症状は軽くすみ、”修飾麻疹”と呼ばれます。

しかし、軽いといっても風邪程度というわけにはいきません。

感染しないにこしたことはありません。

2000年以前にお生まれの方は1回しか接種していない可能性がありますので、その場合は追加接種を受けることが推奨されています。