ある女優さんがキスシーンのあと唇が2倍に腫れたそうです。
詳細はわかりませんが、蕁麻疹だったとのことですので血管浮腫(クインケ浮腫)が考えられます。
血管浮腫は蕁麻疹の一種と考えられていますが、目の周りや唇などが腫れるというかたちでみられます。
蕁麻疹が真皮レベルの浮腫で浅いのに対して、血管浮腫ではより深い皮下組織の浮腫です。
そして、蕁麻疹が2,3時間から半日程度で消えるのに対して血管浮腫は1日以上にわたることがあります。
原因ははっきりしないことも多いですが、非ステロイド系消炎剤の内服など薬剤性のことがあります。
治療は蕁麻疹に準じますので抗ヒスタミン薬の内服が主体ですが、場合によってはステロイド薬の内服が必要になることもあります。
若い時から繰り返し生じる場合は遺伝性の血管浮腫も考えられます。これは遺伝的に免疫系に関わるC1インヒビターが欠損または機能不全をきたしている場合に生じます。
血液検査でわかりますので、気になる症状がある場合は皮膚科でご相談ください。