昨日の新型コロナウイルス対策本部会議において、非常にショッキングなシミレーションが示されたのでご報告します。資料が正しいとするならば、今後感染が拡大、8月には医療崩壊が起きる(あくまで可能性)という大変厳しいものです。

昨日は、「5人以上の宴会・飲み会は控えること」という新たな要請(イエローステージ(警戒)の対応方針に基づく要請)も発表されましたが、これについては、前の記事 5人以上の飲み会自粛要請 に雑感を書いています。

 

※全体資料は 第22回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議 をクリックしてご覧ください。

 

さて早速ですが、資料2-1現在の感染状況及び療養状況について をご覧ください。

これまで大阪府は、「大阪府独自試算」に基づき、新規陽性者数を想定して対策を講じてきましたが、今になって、6/19事務連絡の「流行のシナリオ(厚生労働省)」に基づく新たなシミレーション(実行再生産数は1.7)を公表しました。

 

 

 

 

次の拡大図を見てわかるように、両方のシミレーション(オレンジが国(R1.7)、緑が府、赤が実測値)を比べると、今後の新規陽性者数に大きな違いがありますが、どうも「大阪府独自試算」よりも「流行シナリオ(厚生労働省)」に近づいている可能性があり、ここ数日で想定を外れて今後の状況が大きく変わる可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 


もしも、「流行のシナリオ(厚生労働省)」に基づくシミレーション通りに推移すると、2つ目の資料のように、8/14には新規陽性者数は753人になります。そして重症入院患者数は、8/4には確保病床数215床を上回る225人、そして8/31には1156人となり、重症者の命を助けられない状態=医療崩壊となります。その他に、軽症入院患者数や宿泊療養患者数も完全に想定を上回ります。

 

 

 

 


ただし、最近の低い重症化率(検査数に起因すると思われる)などが反映されているのか分からないため、国の「流行のシナリオ」に基づくシミレーション通りに重症者数が推移するか不確定な要素があります。

 

 

 

 

 

 

ところで、6/19に基準が国から示されていたのに、なぜそれを用いてシュミレーションをしなかったのか?大阪府に確認しました。

国から示された新たな「流行シナリオ」は※実行再生産数(R)が、R1.4、R1.7、R2.0の3パターンあったが、6月時点では新規感染者数も少なく(クラスターはミナミのバーだけ)、大阪府独自試算(東京都を参考)が適当との判断に至ったとのことでした。

※実行再生産数=1人の感染者から二次感染者が生まれる数の平均値で、1未満だと感染拡大が抑えられるとされています。

 

 

実体験からも明らかですが、緊急事態解除後以降は、酒場はマスクをつけない客で盛り上がり、接待を伴うクラブ・ラウンジでは従業員がマスクを着けず接客、スナックではマスクなしの客どうしがカラオケで盛り上がっていました。店から客には注意しにくいこともあるので、店側にも客側にも「飛沫防止対策の徹底(飲食店でのマスク着用)を呼び掛けるべき」と府には何度も忠告してきましたが、残念ながら今まで聞き入れてもらえませんでした。

 

緊急事態宣言解除後、自粛疲れの飲み会に加え、6月には「大阪の人・関西の人大阪いらっしゃいキャンペーン」が発表され、7月に入ると吉村知事や松井市長による「道頓堀で10万円を使って飲食をしよう」という発信や、国の「go toキャンペーン」などの影響もあり、「コロナは大丈夫だろう」という、緩んだ空気が蔓延したように思います。

 

そのような緩んだ空気の中、国からはR1.4、R1.7、R2.0の3パターン示されたわけですから、最悪のR2.0、もしくは、少々上振れしても大丈夫なようにR1.7のシミレーションで対策をしておく必要があったのではないか、と考えます。「最悪を想定して最善を尽くす」危機管理の基本と同じです。

 

さて、昨日、吉村知事は、近日中に再度、対策本部会議を開く可能性があると言われていたようです。

上記のシュミレーションが示すように、想定が適切ではなかった、すなわち「想定を大幅に超えるかなり危険な状況になると判断」する可能性があります。

 

そうなれば、昨日発表された「5人以上の飲み会自粛」にとどまらず、私がずっと危険性を指摘しながらも聞き入れてもらえなかった「飲食時に唾を飛ばしあわない(会話はマスク着用)」や、それを上回る「唾を飛ばしあう会食(外食)の禁止」(休業要請に等しい)など、社会経済活動を制限するような厳しい要請が出される可能性があります。

 

府民の皆様におかれましては、ここ数日の新規感染者数で今後の状況が一変する可能性があるということをご認識いただきたいと思います。

 

そして一喜一憂はせず、引き続きどうかどうか『唾を飛ばさない飛沫感染防止対策』と『手で目鼻口を触らない(手洗いをする)接触感染防止対策』の徹底をお願いいたします。

 

ひとり一人の心掛けで、力を合わせて、コロナから社会を経済を命を守りましょう!