![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150601/18/sugiman3594/49/ff/j/o0320021313324540221.jpg?caw=800)
スギ「亜実!?」
桑島「……!!」
2人の視線の先には、亜実が無表情のままで立っていた。
亜実「……記憶…」
「えっ!?」
「記憶…戻ったんだね…」
「………あぁ…」
スギは亜実から目をそらしながら頷いた。
「亜実……」
桑島が亜実に声を掛ける…
亜実は、桑島を見て涙を浮かべたかと思うと、そのまま病室を飛び出して行った。
「亜実!!」
桑島が慌てて亜実を追うように出ていく。
スギと阿弥は呆然と2人の後ろ姿を見送ることしか出来なかった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150601/18/sugiman3594/bf/3f/j/o0640036013324540226.jpg?caw=800)
「亜実!!」
桑島はようやく、病院の屋上で亜実の腕を捕まえた。
「……うっ…うっ…」
亜実は泣いていた。
桑島はしばらく亜実の腕を掴んだまま一緒に居た。
「たしかに…亜実のこと…1人の女の子として見てしまうこともあった…それは認める!!」
「…………」
「でも!!……やっぱり亜実は俺の大事な妹だ!!」
「お兄ちゃん…」
亜実はようやく泣き止んで桑島の顔を見た。
すると、桑島の方が涙を流していた。
「あの嵐の時…俺が隠していた想いをスギに気がつかれてしまった……」
「………」
「亜実は妹だから想ってはいけないし、そもそも亜実はスギのことを想っていた…」
「………」
「……それなのに、アイツはそんな俺たちの気持ちに気づかずに、よりにもよって高木の娘と付き合い始めて、あまつさえ…俺に亜実と付き合えって言ったんだ……」
「………」
「そしたら…スギのこと…許せなくなってな…ついカッとなって…しまって…な…
」
桑島は泣きながら屋上のフェンスに左腕をガシャンとぶつけ、そこに顔を押し付けた。
「……分かってたよ」
「え!?……」
桑島は驚いて亜実を見る。
亜実はハンカチで目の下を軽く拭きながら…
「お兄ちゃんが私のこと…好きでいたこと…何となく気づいてたよ…」
「亜実……」
「だから、お兄ちゃんがスギくんの車に細工をしたと知って怖くなったの…」
「………」
「私はお兄ちゃんのことを許せなかった…だからずっと…2度と会いたくなかった」
「………あぁ…」
「阿弥ちゃんに私がスギくんを騙して一緒に居ることを暴露された時…私は…お兄ちゃんが作ってくれたあの店に…火をつけたの…」
「………」
「このまま、スギくんが私のもとから離れていくって思った時に…」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150601/18/sugiman3594/bc/44/j/o0800045013324540240.jpg?caw=800)
「私が死ねば皆への復讐になると思ったの…」
「亜実……」
「私は…思い通りになんかならない!!」
「そう心の中から叫んだときに…そんな私をスギくんは戻ってきて助けてくれた…」
「………」
「そして……私は…お兄ちゃんにも守ってもらってた…」
「!!」
「阿弥ちゃんからさっき聞いたよ…会いたいのに私のことを考えて…本当は辛いのに…ずっと見守ってくれてたんだって…」
「………っ!!」
「ごめんね…お兄ちゃん…私…っ!!」
そう言うと、亜実は桑島に飛びついて泣き出した。
桑島も泣きながら
「亜実…ごめんな…っ!!」
亜実を抱きしめた。
桑島はようやく背負っていたものが取れた思いでいた。
一生背負って生きていくと思っていた過ちからの解放。
そして…しばらく2人で泣いたあと…
2人は同じ決意をするのであった。
「今日で…スギと会うのは最後だと…」
つづく
この小説のようなものは、あくまでもスギマンの妄想であり、登場人物とか家族構成とか関係性は全てフィクションです(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150601/18/sugiman3594/5e/79/j/o0720096013324540269.jpg?caw=800)
あと3回?……かな(笑)
では、また(^ω^)