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774 【妄想小説?】「抱きしめられたら」第23話。
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それでは…スタート!!
妄想小説?「抱きしめられたら」
第24話「ハルカの告白」
スギマンが慌てて玄関から出てくる。
スギマンの姿を見たハルカは…両手で顔を覆って泣き出した。
「ハルカ!?」
スギマンはハルカのもとに駆け寄ると、ハルカはスギマンに抱きついて泣き続けた。
「黙って居なくなって、悪かった…」
ようやく落ち着きを取り戻したハルカにスギマンは頭を下げた。
スギマンは泣きやんだハルカをなだめながら、とりあえず家の中に入ってもらった。
居間のテーブルの椅子にハルカを座らせると…
「ほら…」
スギマンは缶コーヒーをそっと渡す。
「……ありがとう」
スギマンはハルカと同じ缶コーヒーを飲みながら話始めた。
「……亜実が死んで、ばあちゃんが死んで…1人で病室の天井を眺めていたら、もう何もかもどうでも良くなっちゃったんだ…」
スギマンは俯きながら続ける。
「そんなときに、もう一度海外へ行こうって思った」
ハルカに視線を向けながら
「しばらく日本を離れて…気持ちの整理をつけたかったんだ…」
と言った。
ハルカはコーヒーを一口飲んで…黙って聞いていた。
「海外で忙しく過ごしているうちに、辛かったことが…段々と薄らいでいったんだ…」
ハルカはそっと、飲みかけの缶コーヒーをテーブルに置く。
「それで、1度日本に帰ろうと…おじさんに連絡したら…ハルカが小林亜実という名前でデビューをするって話を聞いて…そして…」
「スギマン!!」
スギマンの話を遮るように、ハルカが叫んだ。
「私…スギマンが好きなの!!」
ハルカはまっすぐな目でスギマンを見つめた。
スギマンは黙ってハルカを見ていた。
「スギマンがこの家の鍵をハルカに預かってくれって言われたとき、すごく嬉しかったの!」
ハルカは笑顔で言うと…今度は…
「でも…実際は、ハルカにじゃなくて…お姉ちゃんに渡せ…ってことだった…」
ハルカの顔が曇りだす…
「それが…すごくイヤだった…お姉ちゃんに渡したくない…スギマンのことをお姉ちゃんに渡したくない…そう思ったの…」
ハルカの瞳が涙を作る…
「だって!花火を…お姉ちゃんはスギマンと花火を見られなかったけど、私はスギマンと一緒に花火を見たんだもん!」
「なのに、スギマンはいつまでたっても…お姉ちゃんのことを…愛して…いて…」
そして、ついに泣きながら…
「お姉ちゃんのことが…好きなのに…お姉ちゃんのことを……憎いって…」
スギマンはハルカを抱きしめた。
「ごめんな…俺…ハルカの気持ちに気づいてやれなくて…」
ハルカの頭を撫でながらスギマンが言った。
つづく。
この小説のようなものは、あくまでもスギマンの妄想であり、登場人物とか家族構成とか関係性は全てフィクションです(笑)
次回…ようやく最終回です( ・∇・)
では、また(^ω^)