774 【妄想小説?】「抱きしめられたら」第23話。 | スギマンのブログ(SKE熊崎晴香・女優小林亜実・HKT地頭江音々応援ブログ)

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それでは…スタート!!






妄想小説?「抱きしめられたら」

第23話「合鍵」



ハルカはひたすら走っていた。

毎日通い慣れた道を。

両親にも、おじさんにも寮に住んでいると嘘をつき…事務所にも実家はここだと嘘をついていた場所へ…



電車に乗り…揺られながら、ハルカはあの日のことを思い返していた。






スギマンと最後に会った病室でのことを…。


中学1年生だったハルカのファーストキス…。

その翌日のことである。


スギマンがようやく目を覚ましたのである。

スギマンは念のために、もう1日入院することになったが、鯨井はハルカを連れて帰らないと行けないからと…最後にハルカと
病室を訪れた。

「ちょっと職場とハルカの家に連絡してくる」

そう言って鯨井は席を外す…。

病室には、スギマンとハルカの2人だけになった。


すると、スギマンは財布の中から


鍵を取り出してハルカに手渡した。


「…これは?」
ハルカが不思議そうな顔で聞く。

「うちの合鍵だよ…俺が持っていた鍵なんだけど…」

「……ばあちゃんが死んじゃったから、もういらないからな…」
少し寂しそうに笑いながらスギマンが言った。


「ハルカ…悪いけど…これを預かっていてくれないか?」


まさかスギマンが持っていた合鍵をくれるなんて思っていなかったハルカは、思わず顔に出てしまうくらい笑顔になり…

「ありがとう…」
と言いかけたのだが…


「これを…亜実の部屋に置いておいて欲しい」
とスギマンに付け加えられた瞬間…持ち上げられたあとに突き落とされたような想いを感じた。


でも、必死に笑顔を作り直して…

「うん!預かっておくね♪」
とハルカは答えた。



……そんな記憶を思い返していた。





駅を降りてから、今日はタクシーに乗ってハルカはスギマンの家に向かっていた。

手には、あの時スギマンから渡された合鍵が握られていた。


ハルカは、スギマンから預かっていた合鍵でスギマンの家に住んでいたのである。

履歴書に書いた住所もここである。


ハルカは、スギマンの家で…スギマンの帰りを待っていたのである。


「亜実の部屋に置いておいて欲しい…」

そう言われたときに、ハルカは心の底から
この合鍵を渡したくないと思った…。


(お姉ちゃんにスギマンを渡したくない!!


お姉ちゃんを好きな気持ちと、スギマンを好きな気持ちとで…ハルカの心は痛くて痛くて仕方がなかった…。


そして…スギマンに会ったら、全てを打ち明けようとハルカは思っていた。



スギマンの家に着いた。


いつも暗かった部屋から明かりが見えた。



「スギマン!!」


ハルカが叫ぶと…窓からスギマンが顔を出した。





つづく。







この小説のようなものは、あくまでもスギマンの妄想であり、登場人物とか家族構成とか関係性は全てフィクションです(笑)
不法侵入…ってツッコミはおやめください(笑)




では、また(^ω^)