先日、NHKのニュースで、最低賃金のことを報道していた。
この中で、某大企業の社長が言っていた”賃金を上げると、企業業績が悪化するから出来ない”と、ここまで明白に、日本の資本主義は企業の収益のためにある、と言い切った。
現役世代は、気が付かないだろう。
日本は、戦後、焼け野原からの出発だった。その時の創業者は、人間的にも立派で、社員みんなで豊かになろうと、どの企業でも言ってきた。
家族主義・健康第一主義と言って、家族手当があり、社宅もあり、賃金の安い新入社員のために、独身寮も必ずあった。それで何とか生活できた。
日本型、資本主義で国民は総国民中流で、幸せだった。
ところが、創業者が亡くなると、”たが”が外れ、日本型資本主義が壊されてきた。
なんでもアメリカが優れていると、アメリカのまねを始めた。
日本は日本型の資本主義を選べばよかったのに、会社の役員、証券関係者、そして資産家、資産家を票田とする、自民党が経済を変え始めた。
創業のような、人徳は全くなく、自分がもうかればいいという、お金しか見えず、国民の幸せなど考えもしない連中が、今の日本を支配している。
家族手当を無くし、社宅を無くし、独身寮もなくした。労働組合も以前から無いようなものだったが、今は、労働組合活動をしたら会社に居られない。
こういう経済だから、アメリカから大勢はいってきた、投資家,投機家が中心の株主総会を乗り切るため、異常なほど高額の配当をしている。社員の賃金より配当を重視している。
役員の年収も、以前は社長でも数千万円だったのが、今はどこの企業も数億円取っている。カルロスゴーンの10億円は気がくるっているし、今別件で裁判の被告になっている。
当初の”賃金を上げると、企業業績が悪化する”の言う事も、悪びれずいう。
はっきり言って、日本人の心を取り戻るには、一度財政破綻するしかない。