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ゾーンに入る技術 

辻 秀一

面白い本を読んでいると、

ついつい時間を忘れて読みふけってしまう。

しかし、何が書かれているかいちいち注釈を確認しながら

読まなければならないような難解な書は

同じ読むという行為でも苦痛を感じてしまう。



読むという行為は同じなのに、

体感や結果が変わってしまうのは、

その行為に臨む自分自身の姿勢に大きくかかわっている。

面白い本を読んでいるときは、

次のページへの興味が集中力を高め読む速度を

速めているのかもしれない。

展開が進むにつれ満足感を味わいながら

心地よい時間を過ごしている。

逆に、難解な書は理解力の不足により

文章と文章がつながらず、読むという行為に好意を持てない。

しかし、それも読む人の姿勢で変わるという。

事実、多くはないかもしれないが、

難解な書が好きな人がこの世には実在する。

本書によれば,

人の潜在意識を最大限に引き出している状態である

<ゾーン>を作るには心の状態が大切だという。

多くの人の心の状態は「環境」「出来事」「他人」によって

左右されてしまっている。

しかし、自分の心の状態を自分で作り出せる人は、

自分の「表情」「態度」「言葉」「思考」を

コントロールして自分の心を決めている。

また、<ゾーン>を作り出すために大切なのは、

「過去」や「未来」にとらわれずに、「今」に集中することだ。



自分は趣味で週に2030㎞ほど走っている。

しかし、走ることが好きでたまらないわけではない。

どちらかというと、走る前は面倒くさいと考えている。

走ること自体、私にとって行為自体が好きなわけではなく、

走り終わった後の満足感や爽快感を求めているところが大きい。

だから、走り出す前や、走っている序盤のころは

あまり気が乗らないことが多い。

その日の目標ゴールが近づくにつれて、

だんだん心地よく走れるようになり、

ゴールした後は満足に変わる。

しかし、走っているその瞬間、瞬間には実は何の変りもない。

変わっているのは自分の心の状態である。

<ゾーン>を最初から作り出すには、アクションフォーカス、

つまり行動だけに焦点を当てて、無駄な意味づけを行わないことだ。

走り出す最初の一歩。「あーこれから60分間走るのか」と思いながら、

重々しく出す一歩と、「これで、ゴールだ」と思いながら出す一歩には

行動自体には何の変りもないはずだが、結果は大きく変わってくる。

心に「揺らぎ」「とらわれ」がある状態では

「ゾーン」はやってこない。



心の大切さを気づかされた一冊であった