ちびおおかみ (世界の絵本)/講談社
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『ちびおおかみ』

ゲルダヴァーゲナー 著 

ヨゼフ・ウィルコン /絵

鷺沢萌/訳 講談社



「ちびおおかみ」はちょっと変わった、子おおかみ。
普通のおおかみとかなり違っているから、お父さんとお母さんは心配でたまりません。
うさぎのつかまえ方を練習させようとしたら、うさぎと仲よしになって遊んだり、
魚のとり方を教えたら、川の中にもぐって魚と追いかけっこをするのです。

おおかみは、強くて力持ちで、なによりも

“コワいおおかみ”でなくっちゃいけないって、みんながいいます。

なのに、ちびおおかみは全然こわくないために、「悪い子」のレッテルを貼られてしまいます。

ちびおおかみは悩んでしまいました。

ひとり、森の奥に入って、しくしく泣いていると、ねずみが声をかけてきました。
「どうして、ないているの?」
ちびおおかみはねずみにいいました。
「ぼくは、つよくて、こわ~いおおかみになりたいんだ!」
それを聞いたねずみは思いもかけない道具をおおかみに次々と渡しました。
やさしくて、うさぎや魚とも仲よしのちびおおかみは、

望みどおり、“こわ~いおおかみ”になれたでしょうか。


人はこうあるべき、と決めつける人々がいます。

他人がつくった自分のほうが正しく思えてしまうとき、自分が自分であることの喜びを大切にしたくなる一冊です。